昨日、ある患者さんに卵焼きを用いた負荷試験をやりました。
卵白はクラス6。以前オボムコイドもクラス6だったのですが、加工品を食べさせているせいか、クラス5になっています。
昨日も触れたように、こんなケースでは多くの患者さん、多くの医師が食べられないと判断しています。食物アレルギーは、全く食べられないなんてことはないと考えています。1gが食べられなければ、0.1gというように減らせば、食べられるはずだと考えています。
また加工品を用いることで、相当アレルギー症状を起こさないようにすることができます。要は、工夫次第で完全除去にしないことは可能です。
また、私の長年の負荷試験の経験の中で、カステラ1切れを食べ慣れると、卵焼き1個の負荷試験に挑戦できる、というものがあります。これまでは、ほとんどのケースで食べられていました。
実は、昨日の負荷試験の患者さんも、既にカステラ1切れは食べられ、食べ慣れており、私の中では卵焼きはクリアするだろうという負荷試験だったのです。
順調に進み、卵焼き1個分を完食しました。最後体に蕁麻疹がちょっと出ました。
負荷試験の結果としては、「陽性」なのでしょうが、抗ヒスタミン薬を飲ませることなく消失しました。ほぼ「陰性」だと判断しています。
あらかた食べられるものは、なるべく食べる。これがいまの考え方でしょう。つまり、厳密には「ギリギリアウト」を「ギリギリセーフ」と判断した訳です。
ここまで食べられれば、積極的に食べていくことで、もっと安定して食べられるようになるはずだと考えています。
卵白クラス6であっても、こんな感じでどんどん食べさせています。この事実を知っている、ないしはこういう経験を持っている小児科医は、全国に何パーセントいるのでしょうか?。
多くの医師がアレルギー採血の数字に対し、頭でっかちになっているのではないでしょうか?。