アトピー性皮膚炎の湿疹から「経皮感作」を起こすことで食物アレルギーを発症する、というのは事実でしょう。
その中で、卵が圧倒的に多いのですが、患者さんによっては乳、小麦、その他の食品が陽性になっています。
アトピー性皮膚炎があれば、何らかの食物アレルギーを合併していると疑った方がいいくらい頻度も高くなっています。
最近も“湿疹”の患者さんが多く、離乳食開始前であれば、卵、乳、小麦などを調べています。既に卵や乳を摂っていますというお子さんに関しては、ピーナッツ、ソバ、エビ、タコなどを調べるようにしています。
ピーナッツやソバ、エビなどは陽性になることはかなり少ないのですが、1歳前後でこれから食べさせていく年代の場合は、見落としがないよう調べるようにしています。
先日、1歳10か月のお子さんを持つお母さんからこんな質問が出ました。「うちの子ピーナッツが検査陽性でしたが、どうしたらいいですか?」と。
1歳ではもちろんピーナッツは食べていません。普通は3歳くらいになって食べさせるでしょうから、少なくとも1、2年は除去というのが通常でしょう。
私はこれまで食物アレルギーに取り組んできて、「少しずつ食べさせる」、「なるべく早期に食べさせる」というのが真実であろうと考えています。
このケースで、ピーナッツを除去し続けて、ピーナッツアレルギーになってしまったらどうしよう?と考えます。食物アレルギーって、食べさせ方の問題が大きいだろうと考えています。
つまり、与え方でアレルギー症状を起こしたり、起こさなかったりするのだろうと思っています。食べさせるべき時に与えなければ、アレルギーに転じてしまうこともあるのではないでしょうか?。
あとになって、ピーナッツアレルギーを発症して後悔しないように、この患者さんのケースではピーナッツの負荷試験をやることにしました。まだ1歳ですから、ピーナッツの負荷試験に必要な10粒も食べさせるつもりはありません。数粒の予定です。
粒のまま食べて誤嚥してもらっても困りますから、潰して粉状にして負荷しようと考えています。
多分、多くのアレルギー専門医であっても「除去しなさい」というケースだとは思いますが、早期に食べさせて慣れさせることが重要ですから、様子をみてピーナッツアレルギーにしてしまったら、治りづらくなってしまうと思っています。
そうはしたくないため、負荷試験をやるのみだと思っています。卵や小麦は離乳食の始まる6か月から、ミルクは気づいた時点で、負荷試験をやるべきだと考えています。近々ミルクが陽性の4か月時に負荷試験を予定しています。
ピーナッツも気づいた時点でではないかと思っています。