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「それ、本当に乳児湿疹ですか?」
2018年06月02日 更新

毎日、多くの患者さんの受診があり、幸せな日々を送らせていただいています。

いつの間にか6月に入りましたが、今月と来月と2回ずつ学会発表があります。開業医のほとんどが、開業と同時に一線から“引退”してしまいます。

守りに入ってしまい、新しいことを学ばなくなる傾向にあります。「自分の城」を持つことによって、必死に守ろうとします。損になることはほとんどしなくなり、効率第一になってしまいます。

それは“自分の都合”にもかかわらず、それを患者さんに押し付けようとします。学会に出て、休診にすると、収入が減り、患者さんを他の医院にとられることを嫌い、ほとんど休診にはしていないですよね?。

私の場合、市内からも、市外から遠路遥々受診される患者さんが多いので、一線級のレベルを維持しないと患者さんに失礼に当たると考えています。ですから、ここ最近は休診が多くなってしまいます。それが“本来のあるべき姿”だろうと思うのですが、開業医の世界は、驚くほど「ジコチュウ」なんですね。

それはそうと、今年は全国学会に6つ発表するつもりです。例年よりは多いです。

なぜ多いのか?。医師達に伝えたいことがあるから。

この場でも触れていますが、多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”などと甘っちょろいことを言っていて、過少治療している間に食物アレルギーが悪化してしまうことを突き止めたから、それに対し警鐘を鳴らさなければいけないと考えています。

これはアレルギーの非専門医は当然として、専門医であってもよく分かっていないことだろうと思います。食物アレルギーで困っている患者さんは多く、早期に対応しないと「できあがってしまいます」。食物アレルギーを予防ないし、軽減したいのなら、多くの医師が思ったよりも早く対応しないと間に合わないのです。

多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”と言っていますが、実はその多くがアトピー性皮膚炎であり、過少診断・過小治療で湿疹が改善しないにもかかわらず、同じ軟膏を出し続け、“効率よく”収入を上げている現状を打破したいのです。

そのためには、アトピー性皮膚炎がとても多いこと、甘っちょろい治療では対抗できないこと、食物アレルギー発症に対し危機感を持つ必要があることを理解していただきたいのです。

来週、全国学会ではありませんが、新潟市で発表があります。多くの医師に関心を持って欲しいがために、タイトルをショッキングなものにせざるを得ませんでした。

それが「それ、本当に乳児湿疹ですか?」というものです。一応サブタイトルとして「~卵アレルギーはこんなにも多い~」とつけています。

こんなことをやっても、多くの医者が関心も持たず、参加も少ないと予想しています。どうしたら皮膚科医、小児科医達に“湿疹”や食物アレルギーに関心を持ってもらえるのでしょうか?。