小児科 すこやかアレルギークリニック

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2018年06月04日 更新

前回、「それ、本当に乳児湿疹ですか?」の話をしました。

多くの小児科医、皮膚科医が赤ちゃんの湿疹を重く受け止めておらず、過少診断・過小治療することで、「経皮感作」を悪化させ、食物アレルギーを作っている現状に対する警鐘を鳴らすつもりです。

本来、学会や日本の第一人者がそういった活動をすべきですが、現状私くらいしかそう言える医師はいないようです。

何故なら、軽い湿疹なら誰でもまず近くの開業医を受診することがほとんどですよね?。湿疹がひどく、通院しても改善がなくて初めて専門病院に辿り着くことになります。

ちょうど1年前の6月に「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」が発表されました。生後4~6ヶ月のアトピー性皮膚炎の患者さんを集め、治療した上で卵を少量から食べさせるというものです。

当院のデータでは、生後1、2か月の経皮感作は数%に納まるものの、生後3か月では「経皮感作」が30%を超えるという驚くべき真実を表していました。食物アレルギーという病気ができあがる前に対応するには、3か月ではもう遅い訳です。

提言の発表からもう1年経つのに、新たな情報は発信されていません。この辺の分野の研究が遅れていることを物語っているのだろうと思っています。

このことは、アレルギー専門医はもとより、非専門医であっても知っておくべきであろうと考えて、全国学会で発表しまくり、一人でも多くの医師の目に触れられればと思っています。

当院のデータでは、多くが軽症なアトピー性皮膚炎から「経皮感作」が起こっていますが、専門医であっても“乳児湿疹”と捉えている節があり、学会という組織自体の遅れが気になっています。

この場でも多くの国民の関心事となった日大アメフト部の問題ですが、さすがに進展があり、日大の理事長も含めた幹部の処遇に問題が移ってきています。

そんな中、こんな記事を見つけました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180603-00000007-kobenext-l28

中3の女子生徒の自殺に関して、教育委員会が証拠の隠蔽をしていたというものです。人が1人死んでいる訳で、言い方は変ですが、アメフト部の事案がかわいく見えてしまいます。

こちらの方が叩かれるべきでしょうが、実際大きなニュースにはなっていないように見えます。イジメに関する教育委員会の隠蔽は珍しくないからでしょう。組織の中の人間は、“組織”を守るためにこんなことができてしまうのです。

医者という世界もかなり問題があります。誤診しようが、自分の手に負えなくても専門医に紹介しないということを繰り返そうが、医師にはれっきとした報酬が支払われます。その辺をすべての医者が改めれば、医療費は何10%も削減されるでしょう。税金を食いものにしている医者が多いということです。

私は医者の世界しか知りませんが、組織にはいろんな闇の部分がありそうです。