食物負荷試験は、やり甲斐のある検査です。
新潟市や長岡市、先日は佐渡市からも受診がありました。佐渡というと“佐渡島”なので、船を使わないと受診できません。
遠路遥々当院を目指して受診してくださっている訳ですが、私としては期待に応えなければなりません。でも、大丈夫。何らかのものを食べさせるという姿勢で長年やってきましたので、完全除去の状態からの脱却は難しいことではありません。
そんな中、以前は3大アレルゲンというのがあって、1位卵、2位牛乳、3位小麦という捉え方でしたが、低年齢から診ていると、圧倒的に卵が多いことが分かります。
となると、必然的に卵の負荷試験の件数が多くなります。更に、市外から受診される患者さんは卵白がクラス4とか6とかの患者さんも多くなります。
数値が高くても何かしらは食べさせることはできるのであって、除去と言う医者は分かっていないなと思います。以前も触れましたが、当院では3段階に分けて、加工品から食べさせています。
この方法は、16年前から行っていますが、これでアナフィラキシーを起こすことはまずありません。段階的に食べさせていくことが成功の秘訣だと確信しています。
卵クッキー、カステラ、卵焼きと食べさせていく訳ですが、アレルギー採血の数値の高い人に、いきなり卵焼きから負荷試験をすると、どうなるでしょうか?。
きっと全部とは言いませんが、何らかのアレルギー症状を起こしてしまうのではないかと考えています。
今日のタイトルにもしましたが、卵クッキー、カステラと食べ慣れて、“手なずけていく”ことが重要なんだろうと思います。
いきなり卵焼きでは、手なずけることもないため、一気にアレルギー症状を起こしてしまうのではないでしょうか?。
食べていると、アレルギー採血の数値も低下していきますが、当院で卵焼きの負荷に成功した患者さんは、高いままのことがほとんどです。抗体が低下して、食べられるようになるのは違うようです。
ですから、積極的に摂らせて、“手なずけ”作戦という戦略を取っていくのがいいのだろうと考えています。