この場でも時々触れているドラマ「プラックペアン」。佳境に入ってきました。
2人の大学教授が、外科界のトップの巡って論文という業績で熾烈なバトルを繰り広げています。
純粋に臨床や研究が好きで、論文も書き、その上で地位が得られればいいのでしょうが、ライバルなんかがいると、多少汚い手を使ってでも相手を蹴落とし、欲しいポストを得ようとしている姿が描かれています。世の中、権力を握りたい、人の上に立ちたいという人は多いですからね。
私は、そういうのにあまり興味がないですね。開業医という立場で、好きな臨床に没頭できればそれでいいです。
ただ、他の医師がいい加減な診療を繰り返し、患者さんにベストを尽くしていないのは、何とかしたいと思っています。周囲の開業医は、当院がアレルギーを専門に頑張っていることを知っていて、紹介してきませんからね。こういう患者さんを食いものにする態度は改めさせる必要があると思っています。
また、学会幹部は、開業医は負荷試験をするな、専門病院に紹介しろと言っています。レベルの低い開業医は、“自分が法律”みたいになっていますから、紹介なんてするはずがありません。テキトーなことを言って自分のところに通わせれば、自分の元にお金が落ちますからね。
開業医でも加工品を使って、無理のない負荷試験を行うことは可能であることを立証するため、ここのところ当院での負荷試験の方法に関して学会発表を繰り返してきました。
学会幹部も知っているはずですが、私の言っていること、していることが学会幹部から登用されることはありません。どうなんでしょう?、開業医に負荷試験をされると困るからでしょうかね?。
その負荷試験について、学会発表ができなくなってきているようです。
日本の第一人者の某先生は、院内の倫理委員会にこういった研究をしたいと申請し、それが通った上で研究をして、それを論文化しているそうです。自分達はそれだけ苦労しているんだと言っていました。
私の場合、周囲に倫理委員会なんてないし、別に手柄を上げたいだなんて思っていません。保険診療で食物負荷試験が認められており、患者さんも納得していただいています。その結果を集計して発表しようとしたら、ある大きな学会で発表を断られたことがあります。今までは何ともなかったのですが、急に倫理委員会を通せとなってきたのです。
確かに研究願望が強い、アナフィラキシーを起こしやすい負荷試験だと倫理的に問題があるでしょう。当院は、患者さんに負担をかけないようにし、いかに食べさせ、前に進んでいくかという負荷試験をしているつもりです。
日本の第一人者は研究で身を立てるので、倫理委員会は必要でしょうが、私のやっていることも一緒くたで、ルールに沿って負荷試験をやっているだけなのに、その集計さえも発表が許されなくなってきているようです。
今年から、食物アレルギーの発症予防に関する発表を行っています。しばらくこういった発表になると思います。
しかし、開業医が軽症の食物アレルギーを診ていくようにしていかなければならず、開業医が負荷試験をやるようにしていきたいのですが、その道は閉ざされてしまうのでしょうか?。