小児科 すこやかアレルギークリニック

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ぜんそくのポイント
2018年06月16日 更新

先日、10代の患者さんが当院を受診されました。

関東の方から転居されてきたそうで、食物アレルギーの他にぜんそくがありました。食物アレルギーの相談で受診されましたが、ぜんそくの治療も委ねられました。

これだけ大きな患者さんを新規で診ることって少ないですね。最近は、乳児のアトピー性皮膚炎の患者さんが多いです。

最初は、他院で“乳児湿疹”などと言われ、当院に来られた頃には、受診の月齢にもよりますが、卵白が陽性になっていることもあります。「経皮感作」を受けて、食物アレルギーを発症しつつあります。

経験上、アトピー性皮膚炎があり、食物アレルギーもあったりすると、次に出やすいアレルギーはぜんそくです。

ほぼ全例、“風邪”と診断されています。長引いても、“風邪薬”が効かなくても、風邪薬が繰り返し処方されています。小児科医って、意外と何も考えていないんだなと思う瞬間です。

多くの小児科医が、ゼーゼーを繰り返して、やっとぜんそくという発想が頭に浮かぶようです。先程言ったように、アレルギーマーチを理解していれば、「次に出やすいのはぜんそくだな」と心の準備ができ、見落としも減らせるのでしょうが、アトピー性皮膚炎も食物アレルギーも見落とされていることが多いので、ぜんそくも当然のように見逃されてしまっています。

このように全国各地で、多くの小児科医が“風邪”と決めつけ、平気で見逃している訳です。咳が長引けば、おかしいと考え、医者を代えることがお子さんを守るポイントだと思います。

小さい子は、痰絡みの咳が長引けば、おかしいと感じて欲しいのですが、冒頭の大きなお子さんになると、体も強くなり、気管支も太くなるので、ぜんそく発作は起こしにくくなります。

もちろん、ぜんそく発作を起こす頻度や風邪を引いた時にゼーゼー、ヒューヒューしないかも聞きますが、状態が悪化しやすいポイントがあり、運動した際に咳き込んだり、息苦しくなったりしないかを問診するようにしています。ぜんそくの状態が悪いと、この運動誘発ぜんそくはかなり起こしやすくなっています。

年長児になると、気管支に大人のぜんそく患者さんと同じような変化が起きてきます。それは患者さんの気管支を見ることはできないので、「呼吸機能検査」で代用します。

呼吸機能が平均を大きく下回っていれば、ぜんそくが重いし、発作も起こしやすいだろうし、治りづらいことを表しています。

そうであれば、強力に治療していく必要がありますし、客観的なデータを示すことができますので、治療のモチベーションにつながるのだろうと思っています。

最後になりますが、「呼吸機能検査」をやっている小児科医はほとんどいません。

ぜんそくにこだわっている小児科には必ずと言っていいほど、測定の機械がありますので、その辺がぜんそく治療を任せられるかどうかを患者さんが見極めるポイントになっています。