小児科 すこやかアレルギークリニック

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提言通りには
2018年06月30日 更新

昨年6月、鶏卵アレルギー発症予防に関する提言が小児アレルギー学会から公表されました。

これは、ご存知ない方も少なくないでしょうから、説明しますと、まずアトピー性皮膚炎の赤ちゃんが卵アレルギーになりやすいことがポイントです。生後4、5か月のアトピー性皮膚炎の赤ちゃんをエントリーさせた上でガッチリ皮膚治療します。

皮膚をツルツルにした上で、生後6か月から卵を少量食べさせます。連日食べ続けるグループとそうでないグループを比較するのですが、1歳の時点で卵の負荷試験をやっています。連日食べていた方が卵アレルギーが少なかったという話です。

もう既に経皮感作を受けていて、卵の数値が上がっていた患者さんもいたようです。にもかかわらず、生後6か月から連日摂取することで、強い症状が出ることなく、安全に食べられたということです。

これを実際の臨床の場で、どう活かすか?。提言は知っているけれど、どう活用していいかよく分からない医師も多いことでしょう。卵アレルギーを減らす可能性を教えてくれるので、私なら指をくわえて見ていることなんてできません。

当院では、他の皮膚科や小児科に通院しても良くならないという赤ちゃんがよく受診されます。アトピー性皮膚炎かどうか見極め、アトピー性皮膚炎なら卵アレルギーになりやすいと予想されます。

先日、生後6か月の湿疹の赤ちゃんが当院を受診されました。他の皮膚科に行っていましたが、アトピー性皮膚炎が見逃されていました。また、もう既に経皮感作を受け、卵白がクラス3でした。

当院では、生後6か月から卵の負荷試験をやっています。卵白を多く含む卵黄を用いて、負荷試験を行っています。

1/10個を食べさせましたが、発赤が出て、やや機嫌も悪くなりました。機嫌が悪いのも症状だったりするので、ちょっと緊張しました。

様子をみて再度与えると、口回りが赤くなりました。何もない子は、発赤など何ら症状を来さないので、症状が出たのだろうと捉えています。生後6か月だろうと、卵アレルギーの症状はしっかり出得るのです。

そんなに強い症状が出た訳ではありませんが、アトピー性皮膚炎と診断し、皮膚治療も行った上で、生後6か月の時点で卵を食べさせるという点は共通していると思います。

皮膚治療をした上で、なるべく早期から卵を摂取させると何も起きないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、そうとは限らないということを理解しておいて欲しいと思います。

かかりつけ医がやってくれないからと、自宅で自己判断で早期から食べさせるということは、避けていただきたいと思っています。