医師の仕事って、デスクワークみたいなものとお思いかもしれませんが、結構気力や体力が欠かせません。
午前中だけで100名の受診があることもあり、さすがに午前の部だけでは終わらなかったりします。束の間の休憩後に午後の部に入らざるを得ず、新規受診の患者さんに1人当たり20~30分かけることもあります。こんな感じの毎日ですが、大変さが少し伝わるでしょうか?(汗)。
ここ最近、ずっと新規受診の患者さんが多いです。周囲にアレルギー専門医がいないため、かなりいい加減な医療を受けてきた患者さんが多いのか必然だろうと思います。
まれに市外から受診された患者さんで、アレルギー専門医が関わっていることがあります。
普通なら、既に専門的な医療を受けているため、当院に来る必要はないものと思われます。それでも受診されたのなら、責任を持って診療するようにしています。
ほとんどが食物アレルギーの相談ですが、いつも書いているように「経皮感作」で食物アレルギーが起こります。まず湿疹の有無から話を聞くことにしています。
すると、ほぼ全例で「乳児湿疹があった」とおっしゃいます。アレルギーが専門でなければ、間違いなく“乳児湿疹”と診断されているのですが、アレルギー専門医であっても、アトピー性皮膚炎と診断されていないことがほとんどです。
どうやら専門医であっても、アトピー性皮膚炎を早く見つけ、経皮感作を防ごうという視点があまりないようです。これが不思議でなりません。
当院は、生後1、2か月でちょっと湿疹が出始めた赤ちゃんの受診も少なくなく、アトピー性皮膚炎かどうか、食物アレルギーにさせないようにするにはどうしたらよいかと考えています。これでは、私だけが独り相撲をとっているかのようです(汗)。
生後1、2か月で受診される親御さんは、上の子がアトピー性皮膚炎で食物アレルギーになっていて、次のお子さんに湿疹が出ると「心配で」と受診されます。要は、非常に意識の高い親御さんであると言えます。
親御さんのご意向を汲み取り、いかにアトピー性皮膚炎を見逃さず、更には食物アレルギーを防ぎたいと考えています。
アレルギー専門医なら、誰でもそうしていると思いきや、そうでもない現実に驚きを隠せません。まあ、周囲がそうであっても、私は現在の姿勢を貫こうと思っています。