小児科 すこやかアレルギークリニック

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薄っぺらい
2018年07月20日 更新

これまでこの場で11年間、アレルギーについて書いてきました。

多くは、食物アレルギーに関してだったと思います。昨日も触れたように、開業医は“自分が法律”みたいになっており、自分の都合いいことしか患者さんに言いません。

医療は、宗教化しており、患者さんは「信じています。着いていきます」って感じなので、医師にとって患者さんをダマすのは簡単です。

食物負荷試験を“隠蔽”している医者は、いっぱいいますよね。世の中の大半の医師が、「除去しなさい」とか「家で少しずつ食べさせなさい」とか言って、食物負荷試験を亡き者にしようとしています。本当なら専門医に紹介して、除去するものを1つでも減らすべきなのですが、多くの医者が無頓着です。

ちなみに私の地元では、同業者は誰も当院に紹介はしてきません。自分の患者を減らさないように、必死なのでしょう。どいつもこいつも、患者さんのことを考えていないことが分かります。

ですから、食物負荷試験という検査がこの世に存在することを知っていただきたいと願い、この場で主張してきたのです。

時代は流れ、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーを引き起こすことが分かってきました。以前からアトピー性皮膚炎が重症であれば、食物アレルギーも重症になることは分かっていましたが、皮膚から入って食物アレルギーが作られるとは、誰も予想だにしていなかったのです。

今では、アトピー性皮膚炎があり、既に卵やミルクが陽性になった赤ちゃんに、ガッチリとアトピーの治療を行うと、卵やミルクの値が下げることもできるようになってきました。要するに、皮膚治療を行うことで、食物アレルギーが軽くなる可能性がでてきたのです。

ただし、年齢が長じると、食物アレルギーが固定化してしまい、皮膚治療の効果はなくなってしまうようです。2歳よりも1歳、1歳よりも0歳で治療していくべきと考えています。

いずれにしても、アトピー性皮膚炎を早く診断し、皮膚の炎症を強力に抑え込むことが重要だと分かってきた訳です。

ただ、こういう状況に色めきだっているのはごくごく一部のアレルギー専門医だけであり、多くの皮膚科医、小児科医が“乳児湿疹”と診断し続け、効かないようなキンダベートなどの弱すぎる軟膏を処方したり、3日塗ったら保湿剤に代えなさいとか、できるだけ薄く塗って、良くなったら塗るのを止めなさいとか言っています。ハッキリ言って、みんなデタラメです!。

アトピー性皮膚炎の治療は、残念ながらステロイド軟膏を使うという“対症療法”ですが、そういったやり方でさえも、ガッツリ行うと、かなり皮膚の炎症をコントロールできるようになります。

「ガッツリ」とは、濃いめのステロイド軟膏を広範囲に厚く塗って、徹底的に皮膚の炎症を叩くのです。しかも、良くなっても、すぐに治療の手は緩めません。完璧に叩ききってからゆっくりと減らしていくのです。

世の中にこの治療をちゃんとできる医師は、99%以上はいないでしょう。要するにステロイド軟膏を使いこなせる皮膚科医、小児科医は、それくらいの割合でいないということです。私はその1%以下を目指しています。

食物アレルギーのことを10年以上も書き続けて、時代は変遷し、アトピー性皮膚炎をいかに攻略するかということに変化してきましたが、99%の医師がアトピー性皮膚炎という病気と向き合おうともしていないのも現実でしょう。

巷のアレルギー医療とは、こんなにも薄っぺらいものなのです。