昨日、当院のスタッフからテレビで食物アレルギーの最新情報をやっていたと聞きました。
TBSの「報道特集」という番組です。調べてみると、6月23日に放映したもののようです。ネットで探してみると、ありました。
https://www.dailymotion.com/video/x6mlsv2
食物アレルギーを新しい視点で見て、治療に結びつけているのは、成育医療研究センターの大矢先生しかいないと思っていましたが、やっぱりそうでしたね。
それにしても、お見事としかいいようがありません。動画をこれから見ようと言う方にはネタバレになってしまうのですが、最初に出てきたのは、アトピー性皮膚炎を見逃された赤ちゃん。
東京在住の方ですが、やはり“乳児湿疹”などと言われ、過少診断・過小治療を繰り返されていたのでしょう。このパターンは、もはや全国区でしょう。つまり、全国的にアトピー性皮膚炎を診断し、治療できる小児科医、皮膚科医が非常に少ないことを意味しています。
案じていたことが起こりました。1歳で牛乳アレルギーを発症してしまったようです。この時点で成育にかかり始め、免疫療法を始めたそうです。
これが良かったのでしょう。この時点で他院にかかっていましたが、1歳という若いタイミングで免疫療法を始められたのが幸運だったと思います。
報道の中でも大矢先生が言っていますが、私も同感ですが、いかに低年齢のうちに食べさせていくかが最も重要なポイントでしょう。だから当院も乳児でミルクがクラス2とか3の赤ちゃんに、早いと生後4か月から負荷試験を行っているのです。
牛乳アレルギーは卵や小麦と違い治りづらいので、この患者さんは治って良かったです。多分、治療が遅れれば遅れる程、難治な牛乳アレルギーになったと思われます。
また、食物アレルギーを心配された親御さんが出てきます。産まれたばかりの赤ちゃんの食物アレルギーを予防して欲しいと成育にかかっていました。スキンケアを行っていたのですが、生後2か月でアトピー性皮膚炎を発症してしまったようです。
ステロイド軟膏による治療を始めて、卵などを食べさせているようです。ナレーションで1歳半の時点で食物アレルギーは発症していないと言っていました。素晴らしいです。
ただ、このようなことをやっている専門病院は成育医療研究センターだけだと思っています。他の専門医は、アトピー性皮膚炎の診断も治療も、成育と比べると遅れています。
当院も似たようなことはやっています。新潟県の食物アレルギーを減らすのが、私の役目ですから。
この「報道特集」もいつまで見られるか分かりませんし、ご覧になっていない方は是非とも食物アレルギーに最新情報に触れていただきたいと思っています。