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学会なのに何故?
2018年08月22日 更新

2000年に入る前後から、「ガイドライン」という言わば病気の法律みたいなものが作られるようになってきました。

出始めの頃は、日本の第一人者が決めた法律に正しく沿って診断、治療していこうと思ったものです。

最近では、私の考え方がかなり変わってきてしまっています。「ガイドラインを守っていては、思い通りの医療ができなくなってしまう」と考えるようになっています。

この場で、時々書いていますが、例えば食物アレルギー。以前から負荷試験を推奨していましたが、中途半端な負荷試験はするなと言っていました。負荷試験は、どこまで食べられるか、ボーダーラインを知るための検査であり、症状を起こさせてシロクロをつけていくもの。そういうことだったと思います。

最近は、症状は“できる限り起こしてはいけないもの”と考えています。症状が出ることによって、患者さんがトラウマになり、食べることを怖がってしまうから。起こしても、とても軽い症状に留めるべきと考えています。

ガイドラインもようやく2年前に負荷量を3段階に分けました。気づくのが遅すぎます。でも、このことはよく触れているので、「また同じことを言っている」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

今日書きたいのは、ぜんそくでもアトピー性皮膚炎でも学会はより重いものしか見ていないということです。

確かにぜんそくやアトピーが重いと、慢性的な症状に苦しめられます。適切に治療して、症状を和らげてあげるべきでしょう。

最近思うのですが、ぜんそくもアトピー性皮膚炎も軽症から重症までありますが、その下に結構多く存在するぜんそく“もどき”、アトピー性皮膚炎“もどき”を無視してしまっていることが問題だと考えています。

ぜんそくもアトピー性皮膚炎も、我々医師が症状の強めで、典型的な症状を満たすものをそう定義しているだけであって、軽い、言わば中途半端な症状のものは切り捨てているのです(画像)。

画像では、赤い枠が小さいですが、病気は重症は少なく、軽症は多いもの。赤枠に属する患者さんはかなり多いはずだと考えています。

“もどき”であっても、慢性の病気。そんな簡単にはよくなりません。軽いぜんそくが隠れている状況で、アレルギー専門医、しかも結構有名な先生であっても、“風邪”とか“気管支炎”などと診断しているのは、いかがなものかと思っています。

これは、ガイドラインを作る日本の第一人者が、重い患者しか診ていないし、相手にしもしてないことが原因だと思っています。開業医は、逆に軽いものしか診ていないし、言い方は悪いですが、“もどき”の患者さんはものすごく多くいるし、適切に治療されていないケースは極めて多いのが現状だろうと考えています。

ぜんそくなら、ぜんそくの前段階の“もどき”の状態から治療に介入し、より悪化を防ぐべきなのに、ゼーゼー、ヒューヒューを繰り返してから、「やっぱりぜんそくだったんだ」と言って治療を始めるのは、問題があると言いたいのです。

アトピー性皮膚炎についても、多分“もどき”の状態で、既に「経皮感作」を起こし得るし、当然痒くて、掻くし、不快な思いをしているはずです。

そもそもガイドラインの作成委員って、大病院のそれこそ重い病気しか診ていないような先生方の集まりです。これでは、“もどき”が切り捨てられるのは当然ではないでしょうか?。

日本の第一人者も、“もどき”のうちに治療し、病気を軽快させていくことに目を向けてもらいたいものだと思っています。