小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

本当は味方
2018年08月29日 更新

いきなりですが、私は開業医が嫌いです。

何故なら、ガイドラインさえも無視し、自分にとって都合のいい“診療”を繰り返しているから。彼らが重視しているのは、効率と利益であって、「患者さんを良くしたい」と思う本来の医療の在り方を忘れてしまっているとしか思えません。

例えば、食物アレルギーは「食物負荷試験」なしに診療できないとされます。確かに開業医は医師1人という環境下で、患者さんがアナフィラキシーでも起こしてしまったら、その患者さんにかかりっきりになってしまうし、診療がストップしてしまいます。

普通なら「専門医に紹介しよう」となるはずですが、患者が手元から離れてしまえば、困るという助平根性があるのでしょう。「負荷試験の存在を隠蔽してしまおう」と考えるところが卑怯だし、詐欺っぽいと思うのです。

患者さんは、病気になるとかかりつけ医に駆け込みますが、「お医者さんは、正しいことをしてくれるはず」という全面的な信頼を平気で裏切って、利益を上げているところが嫌いなのです。

そんな私ですが、普段研究というか、学会で発表していることは、“外来でもできること”が前提になっています。

例えば、卵アレルギーは食物アレルギーの中でも頻度は最多ですが、卵クッキー、カステラ、卵焼きという順番で負荷試験を行っています。過去にアナフィラキシーを起こそうが、アレルギー採血の結果が卵白6、オボムコイド6であろうが、です。このパターンで、ほとんどの患者さんを食べさせています。

アナフィラキシーを起こすことはまずありませんので、診療が中断することもありません。学会幹部は何ら注目してくれませんが、「開業医でもできる負荷試験」をテーマにこれまで学会発表を行ってきました。

専門病院なら、仮にアナフィラキシーを起こしても、他に医者はいますので、対応できるのでしょうが、医師が1人なら、アナフィラキシーを起こさない負荷試験をやればいい訳です。

専門病院は、結構無茶な負荷試験をやることもあるようですが、症状は起こさせず、「食べられるんだ」という自信だけ持てるような、無理のない負荷試験が広がっていくべきです。これなら、開業医でもできなくはないと考えているのです。

負荷試験に関しては、それでも開業医はやりたがりません。楽して利益を上げることに慣れてしまっているようです。

今の私にとっての課題は「経皮感作をどう防ぐか」です。これについても、先程と同様に“開業医でもできる”ということもテーマです。

アトピー性皮膚炎を早く見つけることや、どう治療に結びつけていくか、どうステロイド軟膏を減らしていくかを検討しています。だいたい形になってきており、今後も「開業医でもできる食物アレルギー予防」という内容の学会発表を続けていくことになりそうです。

開業医は嫌いだけれど、やる気のある開業医の味方でありたいと思っています。