先日、ある患者さんからメールをいただきました。
当院にアトピー性皮膚炎でかかっていたのですが、転居で他県に引っ越されたそうです。急だったのか、私はそのことを聞かされていませんでした。
だいぶ苦労されているようでした。風邪などちょっとした病気の場合、すぐに治ってしまいます。これは、どの医者が診ても差は出ません。
熱が下がらなかったり、咳が止まらなかったり、下痢が続いたり。症状が改善しなければ、不安になりますよね?。放っておいても治るものはいいとして、こんな風に症状が長引いた時に、適切に対応できるかどうかが、かかりつけ医の腕の見せどころなのだろうと考えています。
私は、あまり「様子をみてくれ」とは言わないようにしています。症状が改善しないのに、同じ薬は出したくありません。
世の中には、全く同じ薬を出して、「様子をみてくれ」という医者は多いですよね?。子どもの病気を治そうとする責任感もなく、親御さんの不安を軽減しようともしていない訳で、かかりつけ医は失格なのだろうと思っています。
今回のメール、下痢が長引いて心配というものでした。新かかりつけ医に行っても、同じ薬が出され、別の医者に行っても同様で、医者というものは揃いも揃って、「様子をみてくれ」と無責任に言うものだと実感したようです。
普通の胃腸炎なら、ほんの数日で治ってしまいますよね。長引けば、単なる胃腸炎ではないと思います。私なら薬を代えるし、アレルギーも含め、見逃しがないか考えるだろうと思いますが、メールで聞かれても困ってしまいます(汗)。
アトピー性皮膚炎もあり、近くの皮膚科にかかったそうです。私の処方をお薬手帳で見て、また皮膚の状態を診て、「こんなのアトピーじゃない。こんな治療は有り得ない」と言ったとか。
今日は、ここを強調したいと思っていますが、私から言わせれば、アトピー性皮膚炎の湿疹が悪い状態で、同じ薬を出されているケースがほとんどだと思いますが、こちらの方が“有り得ない”のです。
アトピー性皮膚炎の治療は、最初はかなりの量のステロイド軟膏をベッタリと塗ります。湿疹がないと思っても、軽微な湿疹はあるでしょうし、とにかく顔から体に全体的に塗ります。そうすると、湿疹のない、皮膚のきれいな状態を作ることができます。
これを「寛解」した状態と言いますが、この状態を維持しつつ、薬を塗る回数を減らしていきます。早く減らしたい気持ちもあるでしょうが、焦りは禁物です。早く減らすと、すぐにリバウンドしてきます。ゆっくり、ゆっくりです。
ですから、まともな皮膚科、小児科でアトピーの治療を受けている場合、皮膚は「寛解」を維持していなければおかしいのです。
よく湿疹の状態が悪いのに、同じ薬を出し続け、「様子をみてくれ」と言われるのは、おかしいということに気づいて頂きたいのです。おそらく、世の中の皮膚科、小児科の9割以上は、この“おかしい”やり方をやっているのだろうと思います。
私は、転居先の皮膚科医に“非難”されてしまいましたが、親御さんは「治療しているんだから、当たり前でしょ」と思っていたそうです。それはよかったです。
メールには、かかる医者がなくて困っているという愚痴も書いてありました。小児科医たる者、トータルでなるべく責任を持って対応し、安易に「様子をみて」とは言わないようにしたいものです。


