卵、乳、小麦は3大アレルゲンとされます。
食物アレルギーは、小児に多く、その小児に多いのが卵、乳、小麦に対するアレルギーです。
多くの専門医が、牛乳アレルギーが一番治りづらいと捉えていると思います。調布の死亡事故も乳でしたし、実際、当院でも明らかに治りづらいのが牛乳アレルギーだと思っています。わずか牛乳0.1mlで症状が出てしまう患者さんもいます。
一方、卵や小麦はどうかと言えば、乳に比べると治りやすいと思っています。ですので、私の中で、いかに牛乳アレルギーを阻止するかと考えているのです。
それをどう打開していくか?。それは、時期ではないでしょうか?。いかに早く気付き、摂らせていくか?。私はそれにかけています。
食物アレルギーは、食べて治すと言われて、久しいと思います。基本的に食べていれば、もっと食べられるようになると考えています。
ある第一人者の先生から、牛乳は2ml摂れるかどうかが鍵だと言われたことがあります。私は1mlかなと考えていたので、似た感覚なのだろうと思っています。実際、負荷試験では、「あまり摂れないだろうな」と思っていて、トータルで10ml摂れたりすると、「もう十分」と思ってしまいます。
10ml摂らせ続ければ、それ以上は悪化はしないだろうと考えています。そして、それはタイミングが早ければ、早い方がいいと思います。つまり、5歳より4歳、4歳より3歳、3歳より2歳、2歳より1歳、1歳より0歳です。
では、牛乳アレルギーが重症で、0.1mlも摂れない患者さんはどうしてそうなったのでしょうか?。
長期の除去が、そうさせてしまったのではないでしょうか?。つまり、仲良くなるタイミングを逸してしまったのではないかということです。もしかしたら、牛乳アレルギーに早期に気付き、0歳や1歳などで摂らせていけばよかったのではないかと思うのです。
当院では、アレルギー採血でミルクの陽性の患者さんに対し、0歳や1歳でミルクの負荷試験を行っています。特に問題なく10mlは摂れるように思います。
そのまま摂らせ続け、どんどん摂れるようになれば、牛乳アレルギーは克服できることになります。早い時期にアナフィラキシーを起こしたとしても、摂れる範囲内で摂っていくことが大事だと考えています。
こういう患者さん達が、みな100~200m確実に摂れるかは、現在徐々に増やしている最中ですのでまだ分かりませんが、解決しづらい牛乳アレルギーを打破する光明を見い出しています。
結局、いかに早いタイミングで摂らせていくことが、重要であるという話なのでしょう。