小児科 すこやかアレルギークリニック

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ぜんそくでも本気
2018年09月11日 更新

今週は休診が多くなっています。

明日12日(水)と14日(金)です。かかりつけの患者さんにご迷惑をお掛けします。実は土日と学会もあるのですが、発表は日曜なので、土曜も休みにならずラッキーでした。

移動がすごいことになっています。東北にクルマで行って、関東に新幹線、また新幹線で東北へ。今週を無事に乗り切れるでしょうか?(汗)。

さて、ここ最近はアトピー性皮膚炎と食物アレルギーについて書いていることが多いです。アトピー性皮膚炎の湿疹から食べ物が入り、食物アレルギーを引き起こします。つまり、アトピー性皮膚炎が起点になっており、アトピーの早期発見・早期治療が重要です。

実は、「アレルギーマーチ」という概念があって、その次にぜんそくが出やすくなっています。かなりの確率で、ぜんそくも合併してきます。ですので、私自身、ぜんそくも早期に対応できないか、考えていたのです。

ぜんそくは、皆さんもご存知の通り、ゼーゼー、ヒューヒューする咳のひどい病気です。アトピー性皮膚炎をこだわって診ていると、食物アレルギー、ぜんそくと発症してくることが多いですが、最初からいきなりゼーゼー、ヒューヒューと典型的な症状は呈しません。

痰絡みの咳がしばらく続いて、軽快するということを繰り返します。徐々にゼーゼー、ヒューヒューしやすくなってきて、ぜんそくを発症してきます。

ここで問題なのは、専門医も非専門医も定義通り、ゼーゼー、ヒューヒューするのがぜんそくだと考えていることです。普通に考えると何にも問題はないのですが、ゼーゼー、ヒューヒューを繰り返して、ようやくぜんそくと診断されることが多いのです。

要するに、早期発見・早期治療がしにくいと言えるのです。ゼーゼー、ヒューヒューする前の段階でぜんそくを見い出し、治療に結びつける必要があると考えています。

何故なら、ぜんそくの治療の進歩によって、入退院を繰り返す重症患者はほとんどいなくなりました。じゃあ、我々はぜんそくを克服したかと言えば、全くそんなことはないのです。ぜんそくの有病率は減っていないから。

つまり、軽症から中等症の患者さんは巷には多い訳です。これに対し、「打つ手なし」と学会は手をこまねいていたように見えます。少なくとも、私にはそう見えていました。

じゃあ、ぜんそくを早期発見・早期治療していくにはどうしたらよいか?。実は、私は長年やってきたことなので、難しくないです。

アトピー性皮膚炎があり、食物アレルギーがあったりすると、痰絡みの咳が長引くようになります。多くの小児科医が、これを“風邪”と診断して風邪薬を処方しています。ぜんそくになる患者さんには、ほとんど効きません。

私は、アレルギーマーチを参考に「ぜんそくであろう」という患者さん(ぜんそく予備軍と言えると思っています)を見出し、治療に結びつけているのです。この段階ですと、多くの医師達がぜんそく予備軍を見逃し、ゼーゼー、ヒューヒューするのを待っている状況です。

しかも悪いことに、こういった患者さんは、近くの開業医にかかるでしょうから、専門医はほとんど診ることはありません。ぜんそくと診断され、重い患者さんがようやく専門医に辿り着けるのだろうと思います。

ということで、日本のぜんそく患者さんを減らすため、ぜんそく予備軍に照準を合わせ、治療していったらいいと考えているのです。

かと言って、私のような田舎の開業医には何のチカラもありません。ですので、ぜんそくのガイドライン作成委員の先生と、大御所的な先生に、先日私の考えを提案させていただきました。

私の現時点での考えは、食物アレルギーは予防できそう、アトピー性皮膚炎も早期から治療できれば、ステロイド軟膏は止められそうだと考えています。ぜんそくも多分重症にさせないことは可能だと思っています。

できることは、どんどん第一人者の先生に提案していこうと考えています。