小児科 すこやかアレルギークリニック

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“食べられないことを証明する”検査ではない
2018年09月12日 更新

出張先に来ています。

今日は休診にしてしまい、かかりつけの患者さんには申し訳なく思っています。そして金曜日も…。

最近、新潟市から受診される患者さんが急増しています。開院して以来、こんなことはなかったですね。やはり、食物アレルギーの相談です。前医から完全除去を指示され、困り果てての受診です。

昨日も4歳のお子さんにクルミの負荷試験を行いました。

もしかしたら専門医でも、アレルギー採血でクルミが陽性だと、食べないようにと指示されることがあるかもしれません。非専門医なら、食べなさいと言われることはまずないでしょうね。

クルミは、学校でもクルミパンやクルミ和えが出るでしょうから、気をつけなければいけない食材です。食べられるようなら食べさせていくというのが、専門医の進むべき道でしょう。

負荷試験結果から、クルミであっても完全除去にはしない指示を行いました。であれば、卵や乳、小麦は当然完全除去にしてはいけないと考えています。

食べさせていくことは、姿勢としては間違っていないと思いますが、安全に食べさせていくには、負荷試験は不可欠です。実際に負荷試験を行って、食べられた量から安全であろう摂取量を割り出して、食べさせていく必要があります。

となると、負荷試験をやっていない小児科医を安易に信用してはいけないということになります。だいたい「リスクがある」、「面倒なことはしたくない」、「手間がかかる」などが彼らの本音ですし、波風を立てないスムーズな診療が大好物です。そんな保身や利益を優先するような医者に正しい医療ができるはずはないのです。

それともう一つ言いたいことがあります。負荷試験はやってくれるんだけど、症状を起こす確率が高い医者も考えものです。いかに症状を起こさず、食べることにネガティブにさせない配慮が必要です。

負荷試験でひどい症状を起こして、「もう食べたくない」と本人や親御さんに思わせてしまったら、それはマイナス以外の何者でもありません。負荷試験は、“食べられないことを証明する”検査ではないと考えています。

私は、まったく反対の“食べられることを証明する”検査だと考えています。専門医であっても、理解していない医師も少なくなく、早くそれに気付くべきだと思っています。