昨日は休診にして、すみませんでした。
本日は土曜ですが、通常通りの診療となります。日曜は学会があり、日帰りで東北に行ってきます。
来月も、岡山に行ったり、東北にも行くし、来年の学会のエントリー締め切りもあり、忙しくなりそうです(汗)。
某ホームページで、全国の小児科の医療機関での負荷試験の実施施設を調べることができます。それはとてもいいことなのですが、このままだと時代遅れになりかねないと思っています。
例えば、日本地図をクリックして中部地方をみると、新潟県も出てきます。新潟県では、16年前から他に先駆けて、私が負荷試験を始めました。多分現在でも、トップレベルの件数をこなしているはずですが、当院の名前は出てきません。
一般的には、開業医はリスクを避けるために負荷試験は行わないことがほとんどです。学会もいざという時に入院加療ができるようにと、総合病院で実施することを期待しているようです。
そんなこともあってか、開業医は切り捨てられています。ほとんどやっていないような総合病院の名前が出ていて、県内有数の件数を行っている当院が検索して出てこないのは、このサイトの目的が、地元の患者さんが負荷試験を受けやすいように情報を提供するという目的とは、ズレているからなのではないかと思っています。
確かに自称「負荷試験をやっています」と言われても、どれだけのレベルの負荷試験をやっているのか、学会には把握できないところもあるでしょう。それは、総合病院も同じだし、当院は学会で毎年複数回、成果を発表しています。
学会にもそれなりの貢献はしているはずですが、当院の掲載がないのは、やはりおかしいと思っています。
また、そのサイトの負荷試験実施施設が年間の件数も見ることができました。最高が500件以上だったものが、1000件以上に変わりました。それにより、学会関係者の施設が、より目立つようになりました。多分、他よりも際立ちたいという理由がそうさせているのでしょう。
例えば、負荷試験を年間1000件やっているとします。例えば、10%や5%アナフィラキシーを起こしているとしたら、それは危険な負荷試験をやっている施設だと思います。
負荷試験は、いかにアナフィラキシーを起こさないか、いかに症状も軽く済ませるかが重要なポイントです。負荷試験で辛い思いをさせ、「もう食べたくない」と患者さんに思わせたら、負荷試験は“失敗”だと思います。患者さんを“追い込む”、“より食べられなくする”負荷試験になっているからです。
ちなみに、当院のアドレナリン注射の割合は、0%を目指していますが、この1年だと0.13%くらいでしょうか?。
最近は、攻め込まない負荷試験を行っています。食べるきっかけを与えることを目的にしており、「もうこれくらい摂取できれば十分」と思えば、その時点でやめていることもあります。そんなんじゃ、アドレナリン注射の割合は、低く操作できると学会から言われてしまいそうですね。
でも、専門病院が、より食べられなくする負荷試験は避けなければなりません。未だに研究目的がちらついており、患者ファーストではない場合もあるように見受けられることもあります。
負荷試験の実施施設を示すサイトには、是非ともアナフィラキシーの件数というか、アドレナリン注射の件数も書いていただきたいものです。患者さんの地元に専門施設が2つ以上あった場合、より症状を起こさない病院を選ぶためにです。
あと、もう一つ是非とも記載しておいて欲しいことがあります。だいたいの待つ期間です。世の中には「負荷試験待ち」という言葉があるようで、3か月とか、5か月待ちと聞きます。専門病院を受診してはみたが、5ヶ月待ちと言われ、困ったという患者さんもいらっしゃることでしょう。
特に乳児で早く卵を食べさせたいのに、半年近く待たされるとしたら、意味はありません。敢えて言えば、待つ期間を減らす努力をしていないから、それだけ膨れ上がる訳で、負荷試験の人気を誇示しているかのようにさえ見えます。
ちなみに、当院は、ほとんど待たなくても大丈夫です。先日も新潟市内から受診した患者さんに3、4日後に卵の負荷試験を実施しています。
開業医も載せて欲しいと要望を出していますが、全く聞く耳を持ってもらえない現状です。であれば、負荷試験の実施件数だけでなく、アドレナリン注射の割合、待つ期間を表示していただければ、とても患者さんに役立つサイトになるのではないでしょうか?。