小児科 すこやかアレルギークリニック

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2018年10月04日 更新

有り難いことに、県内各地から患者さんが受診してくださっています。

先日、来られた患者さんはかなり遠方にお住まいの方なのですが、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーで診ていた1歳児でした。

「誤食」とは言わないんでしょうが、お菓子を食べて、強めのアレルギー症状を起こしたそうです。

近くの皮膚科を受診し、そこから少し離れた専門医を紹介されました。原因は、アーモンドだと言われたそうです。

最初は「えーっ!?」と思いました。ただ、専門医が提出した検査結果をみると、アーモンドがクラス3だか4でした。

ナッツのアレルギーでアーモンドまで除去している患者さんは多いですが、アーモンドの負荷試験をして症状が出る人は、まずいません。アーモンドは症状を起こすことはほとんどないナッツ類だと、私の中で捉えていました。

食べたもの、アレルギー採血の結果から考えると、アーモンドで症状を起こしたと言えそうです。滅多に起こさないアーモンドで、しかも1歳という低年齢で症状を起こしたことが驚きでした。

ピーナッツはクラス0でしたが、カシューナッツはクラス1だったようです。医師からは、アーモンドは食べないように指導され、カシューナッツの負荷試験を勧められたそうです。

専門医なら、そういう対応を取るだろうなという感じです。でも、私ならそういった対応はしないです。親御さんに勧めた方法はこうです。

カシューナッツ、ピーナッツ、アーモンドのどれも負荷試験をやった方がいいでしょう、というものでした。

カシューナッツは、クラス1ですから食べて症状が出る可能性があります。シロクロつけるという意味合いもありますが、普通は1歳が食べるような食材ではありません。

ピーナッツは0なのに何故?とお思いかもしれません。逆にすりつぶして、今から食べていれば、発症させずに済むのではないかと考えています。カシューナッツも、似たような意味合いですね。

最後にアーモンドはどういうこと?とお考えの方も多いかもしれません。私は、食物アレルギーは除去しちゃいけないと考えており、逆に除去することで食べられなくなってしまうのではないかと考えています。敢えてアーモンドを少しずつ食べることで、治してしまおうとたくらんでいます。

この患者さんはまだ1歳。食物アレルギーは、若いほど治りやすい印象があり、そういった方向にもっていければと考えています。

それにしても、先日の1歳児のクルミ騒動もありました。今回はアーモンドです。7月には6歳児ですが給食でカシューナッツを食べて、アナフィラキシーで緊急受診のお子さんもいました。

ナッツアレルギーがかなり増えている印象です。ナッツ類は1歳で食べるものではないので、特にピーナッツなどは3歳まで摂取を控えるよう言われています。その“指導”が、かえってナッツアレルギーを増やす要因になっているのではないかと危惧しています。