小児科 すこやかアレルギークリニック

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他との差別化
2018年10月05日 更新

明日、食物アレルギーの講演の予定があります。

土曜の診療が終わり、すぐに出掛けなければなりません。次の週は「すこやか健康フェア」、その次は学会で休診なので、混雑するかもしれません。

学校の先生方は食物アレルギーの話は食傷気味でしょうから、何とかオリジナリティのある話ができればと思っています。

多分、食物アレルギーは卵、乳、小麦の準に多く、軽いと発赤程度、重いとアナフィラキシーショックに至る。診断はアレルギー採血では分からず、負荷試験を行う。負荷試験をやっている医療機関は少ないため、遠くても専門施設を受診した方がいい。治療は、除去が基本で、誤食時は皮膚症状だけなら抗ヒスタミン薬の内服、アナフィラキシー時はエピペン筋注を行うという話が全国各地で繰り広げられているのだろうと思います。

全国の研修会が、わずか5行で済んでしまうんです。何度か参加されれば、「もう分かったから…」となってしまいますよね?。そうさせたくないので、当院オリジナルの話をすべく、準備をしているところです。

新潟県だけでないでしょうが、いまだに「除去しなさい」という医師は多いと思います。こういう医師は、保守派で、「オレはこの方法で今までやってきたんだ」と勝手に自信を持っているタイプでしょうね。患者を減らしたくない、経営重視の医師は、「少しずつ家で食べさせなさい」と言ったりします。

ごく一部の真面目な医師が、「負荷試験をやっている専門医を紹介します」と言うのでしょうが、私の周りにはそんな奇特な医師はいません。

なので、負荷試験の存在すら知らない方もいることでしょうし、その負荷試験の目的ややり方など、医師の捉え方も割れると思っています。その辺を話そうと思っています。

スライドの1枚に、こんなものを入れています。
食物アレルギーにおいて、「食べること」は×ではなく、むしろ圧倒的に○
というものです。先程も述べたように、食べさせたらよいのか、いけないのか、どうしたらよいか分からない方に対し、明確なメッセージを伝えたいと思っています。

昔は、食べると体が反応して卵や乳などのIgE抗体を作ると考えられていたため、食べないようにして抗体が下がるのを待つという方法でした。ところが、思惑とは逆に下がらず、あざ笑うかのように上がっていくこともありました。患者さんから「頑張って除去しているのに、何で上がるのでしょう」と聞かれ、困ったりしたものです。

今では、「茶のしずく石鹸」事件があり、「経皮感作」が立証されていますので、やりやすくなりましたし、何て変なことをやっていたんだろうと思ってしまいます。

しかも、昔は卵の抗体を上げないために、加工品を含む卵全般のみならず、鶏肉や卵つながりで魚卵まで除去なんてしていた訳ですから、真面目にやっていた自分が恥ずかしいばかりです。

食べることで、体と仲よくなること、寛容することが分かってきて、いかに食べさせていくかと変わってきた訳です。その方法論が、医師の目の前で食べさせる「食物負荷試験」なんだろうと捉えています。

負荷試験を受けられるだけでも、ラッキーなのですが、医師がシロクロをつけることだけにこだわっていると、患者さんを傷つける検査になってしまいます。食べるのを怖がる子って、過去に痛い目にあって、そのような状態になっているからだと思っています。負荷試験によって心の傷を負ってしまったお子さんもいるはずです。

負荷試験の目的や、傷つけない負荷などについても話していけば、他との差別化がはかれるのではないかと考えています。少しでも私の思っていることを伝えられるよう、頑張りたいと思います。