離乳食で卵を初めて食べさせて、じんましんが出たという赤ちゃんは何度も経験しています。
今年の1月に生後8か月の赤ちゃんがうどんを10センチ食べたら、胸などにじんましんが出たと初診されました。こういうことは、なくはありませんが、卵に比べるとずっと少ないですね。
小麦はクラス2、小麦アレルギーを詳しくみるω5グリアジンもクラス2でした。小麦アレルギーの仕業でした。
普段から書いているように、ここで小麦は止めるのではなく、食べさせていく必要があります。症状が出て、小麦が陽性なんだから、「除去」を当然と思ってはいけません。
いつも言っているように、若い方が治りやすく、食べる「恐怖」も感じないでしょうし。ただ、症状を起こさせてはいけないと思います。
負荷試験をして、どれくらいが安全に食べられるのか評価する必要があります。このケースでは、10センチという明確な指標があります。ただ、10センチで症状が出るのであって、8センチ、9センチで症状が出ないという保障はありません。
ということで、うどん1センチを持ってきていただき、負荷試験を行いました。しばらく待っても何も起きず、1センチなら問題なく食べられることが明らかになりました。
ということで、頻繁にうどん1センチを食べていただくことになります。途中経過は省きますが、先日ですから、初診から8か月後に、うどんで負荷試験を行いました。
まだ1歳3か月ですから、100gを持参していただきました。当初の10センチを超えても何も起きず、どんどん増量し、何と100gを完食しました!。
8か月からうどんをコツコツと食べさせて、少量のうどんでアレルギー症状がみられた患者さんが8か月で治ってしまいました。
どうでしょう?。まだ多くの医者が「小麦は除去」と臭いものには蓋をしろ的な指導をしていますが、かえって“治らなくしている”可能性があります。解除が遅れれば遅れるほど、親の言いつけを守り、食べられない子になっていきます。
かかりつけ医に「除去しなさい」と言われた時点で、「この人、詳しくないんだ」と見切りをつけて、ちゃんと分かった医師にかかる必要があることを明確に認識していただきたいと思っています。