小児科 すこやかアレルギークリニック

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遅過ぎる
2018年10月19日 更新

当院が力を入れているのは、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーです。

ぜんそくは、ゼーゼー、ヒューヒューを繰り返すというのが定義でしょうが、以前はゼーゼーを3回繰り返すという目安が示されていました。じゃあ、ゼーゼーを1回、2回言ってもぜんそくではないのか?。何か、医学って曖昧なものなんですよね?。

ぜんそくになる患者さんを注意深くみていると、痰絡みの咳を繰り返しているうちに、より痰を作りやすくなります。かなり多くの痰が気管支にへばり付き、呼吸する度に痰が震えてゼーゼーいうのでしょうから、「完成」するまで、それなりに時間がかかるように感じています。

アトピー性皮膚炎は、顔中心の左右対称性の湿疹と、痒み、2か月以上の経過という3つを満たすものとされます。これだと、少なくともアトピー性皮膚炎と診断するには、2か月間待たなければなりません。

当院のデータでは、生後3か月から経皮感作が一気に進行してしまうので、かなり早くからアトピーの存在を疑わなくてはなりません。ところが現実は、いつも言っているように、多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”といい、チンタラやっています。

食物アレルギーはどうか?。卵やミルクの数値が上がっていても、卵アレルギー、牛乳アレルギーとは言いません。食べて症状が出るもののみが、食物アレルギーと定義されます。

卵なら、生後3か月以降に経皮感作を起こし、生後8、9か月くらいになって離乳食で卵を食べて、卵アレルギーに気付かれます。

アトピー性皮膚炎の湿疹は生後1か月くらいで出ることが多いようなので、8、9か月というと、半年以上かかって、卵アレルギーの準備がされて、卵を食べて発症ということでしょうか?。

こうやってぜんそくやアトピー性皮膚炎、食物アレルギーをみていくと、数ヶ月という長い?経過を経て発症しています。言い方を厳しめに変えれば、重症化していると言えます。

みすみす重症化を見逃し、発症してから「ああ、ぜんそくを発症した」とか、「乳児湿疹だと思っていたけど、アトピーだったんだ」となっては、取りかかりが遅いのは明白です。

多くの医師が、アレルギーという慢性疾患を発症してから、ようやく診断し、ある意味、難治化してしまってから治療を開始しています。そこを誰も何もしようとしていないのです。

これでは「遅過ぎる」というのを、ご理解いただけるでしょう。