本日、学会発表のため、休診となります。
かかりつけの患者さんには、先週の「すこやか健康フェア」に引き続いての休診で、申し訳なく思っています。
先日、アレルギー専門医の資格を取った知り合いの先生からメールを相談のメールをいただきました。
生後6か8か月でヨーグルトを食べて、アナフィラキシーを起こしたそうです。これだけでアトピー性皮膚炎が悪かったんだろうなと想像できますが、そうだったようです。
こういう時は、まずアトピー性皮膚炎の治療をしっかりと行います。食べさせる努力をしても、その一方で皮膚から食べ物が入り続ければ、意味がないからです。
アトピー性皮膚炎の治療で、一気にいい状態にもっていくのはさほど難しいことではありません。皮膚治療を行いつつ、同時並行で食べさせる操作に移ります。
ただ、メールによれば、他の医師にかかるようになり、最近になって「診て欲しい」と戻ってこられたようです。現在1歳を過ぎています。
敢えて言えば、もう危険な香りしかしません。この数ヶ月分、アトピー性皮膚炎が悪化し、それよりも何よりも牛乳アレルギーが重症化していることが予想されるからです。
これをお読みの方は、「たかが湿疹」、「たかが半年」と思うかもしれません。最近感じるのですが、湿疹をアトピー性皮膚炎かどうか判断し、治療すれば、アレルギー採血の結果も変わってきますし、要は皮膚治療だけで牛乳アレルギーが軽くできるのだろうと考えています。
あと、やはり専門医にとって牛乳アレルギーは脅威です。治らず、苦労するのが牛乳だからです。その牛乳アレルギーですが、当院は活路を見出しました。いかに早期から摂らせるかということです。
1歳を過ぎて、早くも難治化しているケースも経験していますので、今回のケースでは6か月か8か月のアナフィラキシーを起こした時から、「いかに摂らせていくか」を考えて、対応した方がよかったのだろうと思っています。多分、その時よりもこの半年で重症化している可能性が高いと思っています。
かといって、現時点からリセットして治療に取り組んでいかねばなりません。現時点で摂れる量を負荷試験で設定してあげて、頻繁に摂っていくしかないと思っています。
その摂らせ方にも、私なりのアドバイスがあり、メールに返事をいたしました。まだ何とかなるだろうと思っていますし、そう信じたいです。
多分、多くの医師が「除去継続」なんて言うでしょうが、そうやって牛乳を摂らせないから重症化するのだろうと思っています。食物アレルギー=除去という発想は、捨てるべきだと思っています。