小児科 すこやかアレルギークリニック

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何だかな~
2018年10月22日 更新

お陰さまで、今年当院で得られた知見を学会で10回発表するという目標を達成しました。

別に誰から求められたものでもなく、乳児期早期から卵アレルギーが始まっていることを多くの人に知ってもらい、その対策を立てるヒントにして欲しいと考えたのです。

学会なんて、お金がもらえる訳ではなく、かえって医院を休診にして交通費、宿泊費をかけて出掛けています。あまりこういう言い方はしたくないですが、その損失たるや、相当額にのぼると思います。

こんなことを繰り返すなんて、我ながらバカですね~(笑)。しかも、来年も別なことを発表しようと考えている自分がいます(汗)。

週末は岡山で、小児アレルギー学会でした。これで17年連続で発表しています。講演活動は続きますが、ノルマが終わって、ホッとしています。

学会に出て、参加した感想が「何だかな~」というものでした。

アレルギーは早期発見・早期治療がカギで、食物アレルギーは0歳から食べさせるべきという、私が臨床で得られた感覚をこの場で書いています。

それを実践している医療機関は、まだまだ少ないなと思い知らされました。それよりも何よりも、学会発表を聞いていて分かったのですが、未だに卵白やミルクが陽性というだけで、「食物アレルギーあり」と判定している病院もあり、驚きました。

食物アレルギーの定義は、卵や乳製品を摂って症状が出るものという定義があります。その定義を守らず、学会発表されても、困りますよね。質問者からそれを指摘されて、「恐ろしいから、負荷試験はできていない」と正直に言っていました。地域の大きな病院からの発表で、このレベルです。

先程述べた、0歳から食べさせるという発表は、なくはないですが、非常に少ないようです。逆に、食物アレルギーは重症化すると相当治りづらいので、私は早期から食べさせることに活路を見出してきたつもりです。そう考える小児科医が少ないことが不満と言えば不満です。

あと、未だにアレルギー疾患を早期に見つけることができないこと。例えば、ぜんそくはゼーゼー、ヒューヒューを繰り返すものという定義があります。専門医も非専門医もそれに固執するがあまり、ゼーゼーする前からぜんそくを見つけようとはしてないようです。

食物アレルギーもアレルギー採血の結果だけで、食物アレルギーありとは判断してはいけません。専門医、非専門医ともに卵を食べさせて症状がでるかどうかで診断することは知っていますが、食べさせ方で変わるという考えに至っていない医師も多いようです。

診断にこだわるあまり、「木を見て森を見ず」的な状況に陥っている小児科医が多いんだなと思いつつ、岡山をあとにしてきました。