今日は講演のため、休診になります。
今月は、これで3回目の休診です。こんなに休診の多い開業医なんてないですよね(汗)。これ以降はしばらく休診はありませんので、ご理解ください。
先日、生後3ヶ月赤ちゃんが当院を初診されました。いかにもアトピー性皮膚炎って感じの湿疹を伴っています。
市外から受診されたのですが、1ヶ月健診で医師に湿疹を質問すると「心配する必要はない」と言われ、保健師にも同様のことを言われたそうです。
この場で提示することも多いのですが、“湿疹”を持つ赤ちゃんは、生後3ヶ月目から30%以上が卵の経皮感作を受けています。5ヶ月からは60%以上です。要は、卵アレルギーにしたくなければ、乳児期早期にアクションを起こさなければならないのです。
“湿疹”の程度が重ければ重いほど、“湿疹”の治療開始が遅れれば遅れるほど、食物アレルギーは作られます!。確かに学会が表明した鶏卵アレルギーの発症予防に関する提言からも分かるように、経皮感作を受けても、少量から食べさせていけば、治すことは可能です。
しかし、感作を受けてしまえば、アレルギー症状を起こす確率は上がりますし、多くの小児科医、皮膚科医がこの分野に無関心なので、“湿疹”がアトピー性皮膚炎なのかどうか?、経皮感作を既に受けていないか?なんて考えもしていないので、自宅で卵を与えてアナフィラキシーを起こすなんてこともあることです。
いや、これは提言を作った専門医も同じかもしれません。なぜなら、卵の感作を確認できたら、卵アレルギーの時と同様に対応するなんて書かれています。つまり、基本的に除去して様子をみるということでしょう。いやいや、症状を起こしていようが、なるべく早く少量から食べさせて、慣れさせるというのが答えだと思います。
私の言っていることは、現在の状況では同業者からも理解してもらえないケースがほとんどだと思います。しばらく年月が経てば、それが“常識”になるだろうと思っています。
今回は、田舎の開業医や保健師が「心配する必要はない」と言っている訳ですが、正反対です。生後3ヶ月のタイミングが“タイムリミット”と言っても大袈裟ではないと考えています。
こういう子の食物アレルギーを封じ込めるには、これくらいのタイミングでの介入が必要だろうと考えています。現在、小さな赤ちゃんをお持ちのお母さんは、今回と同様のことを医師などから言われても、鵜呑みにせずに、「赤ちゃんにベストのことをしてあげたい」と考え、いろいろ情報を集めるべきだろうと思います。
食物アレルギーに悩む日々を送るか、早期介入でそういった問題をクリアするか、大きく分けるタイミングは、皆さんが思う以上に早いということを知っていただきたいと思っています。