先日、18歳の患者さんにソバの負荷試験をやりました。
負荷試験は、9歳までが保険診療で認められています。それ以上の年齢は当院では負荷試験はやっていません、という施設があると思いますが、要するに“お金にならない”からやっていないだけです。
確かにリスクを背負って負荷試験をやるならば、お金になった方がいいのですが、当院は稼ぐのが目的ではないため、年齢で躊躇したことはありません。今回のケースも、やる必要があると考えて、説明して納得していただいた上で、行いました。
理由は、春だからでしょうか?。
実は、何年も前にソバを食べてアナフィラキシー症状を起こし、当院を初診されています。その時、エピペンを処方しています。その子の通う学校まで、エピペンの取り扱いについて説明にも行っています。
そして現在、高校三年生になりました。来月から大学進学で、県外に出られるそうです。実はここ数年は、当院を受診されず、近くの診療所からエピペンをもらっていました。
つい先日、何年振りかに当院を受診された格好です。当院は、こんなケースでも負荷試験をやったりしています。もちろん、選挙権のある年齢ですので、本人が望まないことが多いのですが、何年もソバをずっと除去してきて、親元を離れ、自分で食べるものを作ったり、選んだりする訳です。
微量のソバでアナフィラキシーを起こすのか、そうでもないのかを知っておく必要があると考えて、負荷試験を勧めたのです。結局、実施することになりました。
専門医でもやらないことが多いと思いますが、自分が親であれば、そう考えるという方針でやっています。
ただ、どれくらい食べられるのか、全く分からない状況です。ソバ1、2センチから開始しています。結局、7gくらい食べたところで、終了としています。症状は何も出ませんでした。
これは、白黒つける目的ではなく、少量食べられるかどうかを確認する目的なので、これで十分だと判断しての終了です。アナフィラキシーなんて起こさせて、せっかくの門出に泥を塗るようなことはしたくありません。
こんな風に、ちょっと食べても何も起きない(もしくは起こる)ことを、親(大きければ本人)として知っておくことは大事だと考えています。