小児科 すこやかアレルギークリニック

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2019年06月19日 更新

時々、患者さんからメールをいただくことがあります。

県外からのメールが多いですね。たいてい食物アレルギーでお困りの患者さんからで、遠くて受診できない、住んでいる近くにオススメの専門医はいないか?なんてものもあります。

自分が診たいと思うことが多いのですが、適切な医療を受けられるように知り合いの専門医に受診できるように誘導したりしています。

今回のメールは、ちょっと違っていました。県外からの患者さんなのですが、当院まで来れなくもない距離で、どうしたらよいか?というものでした。

聞けば、生後7ヶ月だそうで、いつものパターンで、アトピー性皮膚炎の治療が過少で、卵、乳、小麦が経皮感作を受けていました。卵は既にアレルギー症状が誘発されているようです。

当然、かかりつけ医の判断は、卵の除去…。きっと乳も小麦も除去になってしまうことでしょう。これでは、昨日の話じゃないですが、“悪化に一直線”になってしまいます。

多分、0歳児への負荷試験は、当院は結構やっていると思います。その結果、感じているのは、なるべく早く食べさせる方が治りが早いこと、抗体価が高ければ、乳児とはいえ症状が起きてしまうことです。

皮膚治療をしっかりやり直さないと、経皮感作がさらに悪化してしまうかもしれません。あと、いたずらに除去していても、何もメリットはないと考えています。しかも、3つのアレルゲンに対し、対応が必要です。この状況を打破し得る医療機関は、そうそうないものと考えています。

親御さんもかかりつけ医から除去の方針を伝えられたものの、少しでも食べさせたいと考えており、いただいたメールに対し、以下のような返信をしました。

生後7ヶ月だが、もう離乳食を食べる月齢であり、食べられる範囲で食べていくことが必要。除去は何も生まない、かえって治りづらくするかもしれないとすら考えている。卵、乳、小麦とも負荷試験が必要で、食べられる範囲を設定し、食べていけば、経験上ほとんど治ると考えている。受診してくだされば全力を尽くすが、もし受診しなくても、食べさせ続ける姿勢は重要だと書きました。

この生後7ヶ月というタイミングは大切だと考えており、抗体価上昇に打ち勝てる自信はあります。除去を続けて、重症化すればするほど治りが悪くなるようです。食物アレルギーとはそんなものだろうと捉えています。

通常は、受診がないような遠路ですが、受診へと話が進んでいるようです。これをお読みの患者さんで、除去でモヤモヤされている方々に対しても、チカラになれればと思っています。