小児科 すこやかアレルギークリニック

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2019年06月28日 更新

先日、ある病院からアトピー性皮膚炎で当院の受診を勧められた患者さんがいました。とても珍しいことです。

普段、紹介など一切ありません。アレルギーの患者さんは多いのですが、多くの小児科医がアレルギーは得意ではありません。かと言って、診ない訳にもいかないでしょう。

自分がどこまで診られ、どこから診られないのが知っておくことは重要だと思います。しかし、その辺が曖昧なままダラダラと診られている患者さんが多いようです。

患者さんが診察室に入ってきて、今回の状況が飲み込めました。最重症のアトピー性皮膚炎の赤ちゃんでした。親御さんがステロイド軟膏を使いたくないという方針のようです。

これは、多くの小児科医、皮膚科医が逃げたくなる状況です。残念ながら、医師のほとんどが1人に時間をかけることを嫌います。しかも、アトピー性皮膚炎の得意な医師は新潟県にはほとんどいないでしょうし…。最初に診た小児科医の良心が当院へ行けと言わせたのでしょう。

親御さんもアトピーがあり、ガイドラインの推奨する治療を拒否されるかもしれません。こういうケースでは、いつも正攻法で対応しています。

全国有数のアトピー性皮膚炎で有名な病院は、入院を勧めるようです。そっちの方が時間をかけ説得でき、軟膏塗布を親御さんにしっかりと覚えてもらえるからでしょう。それもある意味、“効率重視”なんでしょう。

私はどうしたか?。こういう時は、効率なんて一切考えません。とにかく、正攻法で現在の治療法を理解していただくのです。

以前と言っても、何年も前ですが、このような状況で1時間説明しました。皮膚がひどい状態だったのですが、今では皮膚も落ち着き、たま〜に受診される程度です。

この場でよく書いているように、最近はアレルギーの起点がアトピー性皮膚炎であるという認識が出てきました。少なくとも食物アレルギーはそうです。

親御さんはこれまで見聞きしたことから、ステロイド軟膏は危険と捉えていることが多いようです。要は、ひどい副作用で苦しめられたという実体験ではないことが多いと思います。

最近は、ステロイド軟膏をビシッと使って湿疹をゼロにし、その状態を維持するプロアクティブ治療が行われる旨を説明しました。更に、アトピー性皮膚炎を適切に治療しないと、皮膚の問題にとどまらず、食物アレルギーなど様々な問題が出てくる可能性をお伝えしました。

あと、私の勝手な印象ですが、アトピー性皮膚炎は軽症のうちに治療すると、結構治るのではないか?という印象を持っているとお伝えしました。

最終的に、当院での治療にご納得いただけたようです。あとは、前進あるのみです。

専門施設でさえも、効率化のため、入院治療を勧めているようなケースでも、外来でしか対応できませんが、外来治療を極めることが私の目標です。大抵のことは、食物負荷試験も含めて、外来で対応可能であると考えています。