土日と和歌山に行ってきました。
アレルギーの学会があったのですが、新潟からのアクセスが良くないようです。金曜の仕事を終えてから出掛けようとすると、電車はありません。日中でも5時間はかかるので、クルマを使うしかありません。
距離にして約600キロ。大変です。結局、金曜の仕事が終わってから出掛け、大阪まで辿り着いたところで一泊し、翌朝早起きして和歌山まで向かうという方法をとりました。ちょうど、台風が紀伊半島に接近中のところで、参りました(汗)。
まあ、何とか土曜の9時過ぎからの一発目の発表に間に合いました。間に合わないことを恐れていたので、とにかく間に合ってよかったです。
最近書いていましたが、私の発表は、親御さんは兄弟にアレルギーがあり、生後早期から湿疹の出た患者さんを対象にその後の食物アレルギーの状況をみるというものでした。
当院のデータから、乳児であってもアトピー性皮膚炎では、採血するとTARCが上がりやすいことが分かっていますし、生後3ヶ月から卵の感作が進行することを把握しています。
アトピー性皮膚炎を早期に発見し、食物アレルギーもやはり早期に見出し、生後6ヶ月から積極的に食べさせていこうという意向でした。意向と言っても、当院ではどの患者さんにもこの方針でアプローチしています。
最近、似たようなことを書いていたことを思い出しましたが、卵も乳も小麦も誰1人として完全除去はしていません。
食物アレルギーは、重症化すると卵なら卵黄程度、乳は牛乳0.1ml、小麦もうどん数センチも食べられません。アナフィラキシーを起こしてしまうからです。
それが、過半数は卵を除去しておらず、カステラを8割弱は食べられています。乳は最低でも牛乳50ml、小麦はうどん全例100gを摂取できています。
最近、アレルギーの早期発見・早期治療について書いていますが、食物アレルギーも早期介入が望ましいし、治りやすいと言えるのだろうと考えています。
残念ながら、学会では「食物アレルギーの対応って難しいよね〜」って雰囲気が漂っていました。あまり早期介入の発表はなかったようです。
確かに学会全体として早期介入の推奨までは至っていませんが、早期介入のメリットはあまりにも大きいのです。
残念ながら、通常ではアトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”と診断する医師は多いし、治療も適してはおらず、しかも食物アレルギーも心配されていないことがほとんどでしょう。その全く逆のことをすると、食物アレルギーを減らすことができるという発表をしてきましたので、私のものは会場でも少し浮いていたように思います。
誰が何と言おうと、食物アレルギーの早期介入は正しいと確信しております。この事実を、食物アレルギーでお困り、もしくは心配されている方々に知っていただきたいのです。こういった情報発信は、続けていきたいと考えています。