新潟では手足口病が流行中です。
お子さんが発熱して受診され、のどにブツブツがあると、ヘルパンギーナでしょうと診断していますが、解熱後、膝を中心とした手足にブツブツが出てきて、手足口病と診断が変わることが多いようです。
通常は、手のひら、足の裏に水ぶくれができるのですが、今年は水ぶくれがどうか判断できないほど水疱が小さく、しかも手のひら、足の裏にできないので、ちょっと苦労しています。
開業医として、毎日診療していると、今年はちょっと違うなと気づくことが結構あります。ぜんそくは、今年は梅雨の時から調子が悪い人が目立ちました。ちゃんと治療を継続しているのに、咳き込むなんてお子さんもいらっしゃいました。
もともと季節の変わり目は、ぜんそくの調子を崩しやしいもの。例年、梅雨が明けて、夏になれば、症状は落ち着きます。ですから、梅雨が明けて、気候が安定するのを心待ちにしていました。
蓋を開けてみると、今年の夏はジメジメした猛暑。熱中症で救急搬送なんてニュースもよく耳にします。お子さんを守るためには、エアコンを使わざるを得ません。
ぜんそくとエアコンには関係があり、気管支が冷気で冷やされると、咳が出やすくなります。梅雨どきに調子がイマイチで、夏になってもエアコンの影響か調子が上がらないというお子さんが目立ちます。
例年夏ですと、花火の煙を吸ってぜんそく発作を起こす子がいて、「花火の煙に気をつけるんだよ」なんて声を掛けているのですが、今年はエアコンの冷気について話すことが多くなっています。今年の特徴と思われます。
アトピー性皮膚炎についても、特徴があるようです。見ていると、乳児期にアトピー性皮膚炎があっても、成長とともにアトピーの湿疹は軽くなっていきます。そして悪くなりやすいのは、秋から冬の湿度の下がる季節にカサカサと痒くなることが多いのです。
夏は湿度が高いため、皮膚が潤うせいか、アトピーが悪化する人はほとんどいません。しかし、今年は梅雨どきからある変化に気づいていました。
理由は分からないのですが、肘や膝のアトピーが悪化し、痒がる人が結構います。もちろん汗の溜まりやすい場所が悪化しているのですが、昨年の方が猛暑でした。気温と湿度の兼ね合いなのでしょうか?。
アトピーがあるのに、アトピー性皮膚炎と診断されておらず、最近になって皮膚をやたらと痒がり、受診される患者さんもいらっしゃいます。
以上のことから、アレルギーに着目してみると、「今年の夏はちょっと変」と思われます。日々真面目に診療していると、この変化は間違いないと考えています。
アレルギーはやはり繊細なものだと思うし、医師の方も繊細な気持ちで診療していかないといけないのだろうと思います。