小児科 すこやかアレルギークリニック

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負荷試験できる
2019年08月20日 更新

先日、ある病院から紹介状を持った患者さんが受診されました。

入院による負荷試験を勧めたが、外来での負荷試験を親御さんが希望されたので、仕方なく当院に紹介してきたようです。

個人的には、負荷試験の多くは外来で可能だと思います。入院の上での負荷試験の必要性は、長年外来で負荷試験をやってきた私の立場からすると、そうは感じません。

重症者は入院の上でという施設もあるかもしれませんが、外来で慎重にやればいいと考えています。

敢えて言えば、地元でちゃんとした負荷試験をやっているのは、当院だけだと思っていましたが、選択肢が増えたのでしょうか?。申し訳ないのですが、今日は「負荷試験できる」ということについて考えたいと思います。

負荷試験とは、言わずもがな、食べられるかどうかを判断する検査です。抗体価が高くても食べられることがあり、無駄に除去しないように、食べられるかどうかシロクロをつけるという意味合いだろうと思います。

ところが、特に大きい子はシロクロをつけてはいけないと考えるようになりました。

「シロ」なら、食べられることが分かり、食べてもらえばいいので、問題ありません。しかし「クロ」の場合は、症状が出てしまい、本人も親御さんも辛く、怖い思いをしてしまう訳です。「もう二度と口にしたくない」と思ってしまうかもしれません。

ですから、安易にシロクロをつけてもらいたくないのです。最近は全国各地で「嫌だけど、負荷試験をやるしかないな〜」という雰囲気になっているようです。その思いはありがたいのですが、「クロ」だと患者さんを傷つけ、さらに食べられないようにしてしまう可能性が高いし、しかも完全除去と指導されたら、「負荷試験なんてしない方が良かった」とならないでしょうか?。

この辺の対応が医師により様々で、負荷試験の弊害とでも言いますか、こういった問題があまり議論されていないようです。

「負荷試験ができる」とは、症状は起こしても軽いもので、その「クロ」だった結果の中でも「これくらいなら食べられる」と指導できる医師でないと、難しいのかもしれません。

さらに付け加えると、“これくらいの量”を食べた結果、具体的に何ヶ月後にまた負荷試験をしてさらに食べられる量を増やしていくという見通しの立てられる医師がベストでしょう。

私もその境地に近づけるよう努力していますが、この領域の医師はなかなかいないでしょうね。