食物アレルギーの治療のカギは、食べることです。
ただ、世の中、「怖くて食べさせられない」という親御さんがかなり多いように感じます。
卵アレルギーがあったりすると、ピーナッツ、ソバ、魚介類辺りを「食べさせていません」という親御さんがいかに多いことか。当院では、卵の他に、その辺の食材を検査で調べており、クラス0だということを証明していても、それでもやはり「食べさせていない」なんてことが多いようです。
卵などでアナフィラキシーを起こして、食物アレルギーがとても怖いを感じているという訳でもなさそうです。
そういう患者さんが、園や学校に上がった場合、アレルギー症状を起こしていないから、ピーナッツやソバ、魚介類は「除去してください」とは言えない訳です。かと言って、食べられることを確認している訳でもない。
これまでは、園用の診断書には「未摂取」という項目がありました。特に低年齢の子であれば、ピーナッツは3歳からと一般的に言われていますし、食べさせていないものも多いと思います。しかし、小学生くらいになると、大抵のものは口にしているだろうということで、小学生の診断書には「未摂取」という項目がありませんでした。
私の経験したケースでは、小学1年生が、カシューナッツを食べたことがないまま、学校給食でカシューナッツが出てしまい、広範囲のじんましんで慌てて当院を受診されるということがありました。
本来なら「未摂取」という形で提出しなければいけなかったのでしょう。学校生活管理指導表が改定されるようですが、今度は、小学校でも「未摂取」の項目ができるそうです。
ピーナッツ、ソバ、エビ、タコなのの甲殻類、軟体類、貝類のほか、魚卵などを食べているか、問診することになりそうです。他に気をつけるべきは、カシューナッツ、クルミ、ヤマイモでしょうか?。
当院のカシューナッツの患者さんは、他に食物アレルギーはなかったのですが、そういう患者さんに対し、これからはカシューナッツは未摂取と書いて、学校生活管理指導表を持たせることになるのでしょう。
そうなると、学校生活管理指導表の提出が一気に増えそうです。ただ、親御さんも気づいていない場合、提出漏れもありそうです。学校側も書類が提出されていなければ、安心だと捉えてしまいそうです。
園や学校が自分の身を守るためにも、上に挙げたような食材を日頃から食べているかどうかの確認作業は、必要なのでしょう。