この春に、確か生後6、7ヶ月で当院を初診された赤ちゃんがいました。
“湿疹”があったのですが、当院を受診された時点で、卵、乳、小麦が陽性でした。小麦はクラス3だったと記憶しています。
7月にうどんで負荷試験を行いました。離乳食で小麦を摂ってもおかしくない月齢でしたが、小麦が陽性だったので、負荷試験をやった上で食べさせるかどうかを判断しようということになっていました。
未摂取の患者さんは、どれだけの量で症状を起こすかまったく分からないため、緊張します。少しずつうどんを食べさせていくと、40g辺り食べたところで、じんましんと咳が出始めました。もちろん負荷試験は中止としましたが、10gくらいは摂れそうだということが分かり、そう説明しました。
食物アレルギーの定義が、抗体価の数値ではなく、食べて症状が出るかどうか?ということになっています。この子は小麦アレルギーであることが、明らかになりました。しかし、「食べてはいけない」ではなく、「食べられる範囲内で食べる」ことが求められます。その後、順調にうどん10gを食べていたそうです。
負荷試験をして症状が出たのが、7月です。8月に小麦で負荷試験をやりました。先月やったので、どうせ変わらないでしょう?と思っている方。結果に注目してください。
だいたいうどんは100から200g持って来ていただくのですが、親御さんは60gしか持参されませんでした。何と、60g余裕で食べられました!。
ものの1ヶ月で長足の進歩だと思いませんか?。何でこんなことが起こるのかといえば、小麦アレルギーは治りやすいと考えているし、0歳という若いうちは、“伸びしろ”が大きいと思っているからです。私の中では、卵もこんな感じかなと捉えています。
もう少し、世の中の小児科医が0歳から負荷試験を積極的にやってくれれば、辛い思いをする子どもや親御さんが減るのにな〜と考えています。