小児科 すこやかアレルギークリニック

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予後
2019年10月01日 更新

今日は、食物アレルギーの予後について考えたいと思います。

卵アレルギーについては、日本のデータを示したいと思います。年齢別に食べられるようになった耐性化率を示します。2歳:14%、3歳:30%、4歳:49%、5歳:59%、6歳:66%となっています。

6歳の時点で、3分の2治っているというものです。私もそうですが、66%“しか”治っていないと捉える方が多いと思います。

2から4歳の2年で引き算をすると35%、4から6歳の2年では17%となります。要は、最初の2年の方が2倍治りやすいと言えそうです。

若い方が治りやすい、年齢が長ずると治りにくいと考えるべきか?。日本では基本、除去のスタンスなので、除去によって治ったのか、知らずに卵の加工品を食べていたから、治ったのか、よく分かりません。

小麦アレルギーについては、アメリカのデータがあります。4歳:29%、6歳:45%、8歳:56%、10歳:62%、12歳:65%、14歳:70%。

これについても、14歳の時点で3分に2強が治ったことを示しています。まさに成長期のお子さんの3分の1が治っていないとも言えます。卵のように前半と後半に分けてみてみましょう。

4から8歳の4年で27%、10から14歳で8%。やはり成長を待っても、治りにくいと言えそうです。

これをどう捉えるべきか?。若いうちは、除去していても治りやすいから、治ることを期待して除去を続けましょうとなるのか?。

個人的には、昨日も触れましたが、早期発見・早期治療にこだわりたいですね。早期とは、0歳です。小麦なんて、先日も8ヶ月の赤ちゃんにうどんを用いて負荷試験を行いましたが、わずか8センチほどでじんましんと咳が少し出てしまいました。

こんなケースでも、以前も書きましたが、ものの1ヶ月でもっと食べられるようになることを経験しています。特に小麦は、0歳で食べさせられず困るようなケースは経験がありません。

年齢で集計していませんが、当院の患者さんが卵が6歳で66%、小麦が14歳で70%しか食べられていないなんてことはないと思います。

こんなことからも、早期から食べさせるということは、従来のやり方の殻を打ち破る対策と言ってもよさそうに感じています。