私は、アトピー性皮膚炎の早期発見・早期治療を猛烈に推奨しています。
いつも言っていることですが、食物アレルギーは生後3ヶ月から一気に進むので、そのタイミングでアトピー性皮膚炎の皮膚治療をしていかないと、みすみす食物アレルギーを悪化させてしまうからです。
これは、食物アレルギーから見た、ものの見方であって、食物アレルギーにこだわっている私だからであろうと思っています。
多分、多くの医師が慢性の経過をたどる湿疹を、乳児であれば2ヶ月以上の経過を確認した上で、アトピーと診断しているのだろうと思います。それで問題なかろうとお思いの方も多いと思っています。
ただ、当院のデータでは、すでに4、5人に1人がもう卵アレルギーに傾いてしまっています。経験上、卵に感作されてしまっても、早期から食べさせていけば、リカバーできます。じゃあ、何故か?。
アトピー性皮膚炎の湿疹をいち早く治療できるし、食物アレルギーも無駄に悪化させることもないと考えているからです。
当院は、他院から紹介はまずありません。患者さんが自らの意思で、受診されています。
とても有り難い話ですが、多くは“手遅れ”の状態です。手遅れとは、言い方は悪いですが、アトピー性皮膚炎とほぼ全例診断されておらず、こじれてきていることが多く、経皮感作も進行してしまっています。
アトピー性皮膚炎は、本格的な治療が遅れると、その分こじれるようです。最近は、アトピー性皮膚炎ですら治してしまいたいと考えており、こじれる前の素直な状態!?の皮膚炎から治療できればと思っています。
これだと、生後5ヶ月頃に食物アレルギーがないか、アレルギー採血を行うことができます。よく離乳食で卵を与え、アレルギー症状を起こして、慌てて医療機関を受診される患者さんがいますが、多くはそれ以前に察知でき、予防が可能です。
要は、アトピー性皮膚炎にとっても、食物アレルギーにとっても、早期発見・早期治療のメリットは大きいと思っています。
患者さんは、口々に早く診断してもらった方が、治療に打ち込めるとおっしゃってくれています。しかも、慢性の経過の病気があることが分かっているので、気合を入れて対応できそうです。
これって、非常に大事なことではないかと考えています。