小児科 すこやかアレルギークリニック

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空白の2年間
2019年10月22日 更新

先日、2年ぶりに患者さんが受診されました。

2年前も当院は、アトピー性皮膚炎を早期にみつけ、治療していくという方針をとっていました。さらに、食物アレルギーやぜんそくの発症にも注意しながらというアレルギーをトータルで診るという姿勢でした。

せっかく皮膚症状も落ち着き始めた頃、突然、受診が途絶えていました。こうなると、医療者側はどうしようもありません。中には、受診を催促する小児科もあるそうですが、当院は待ち時間が長いとか、近くの医療機関でも薬を出してもらえるとかで、来なくなる患者さんもいるのも事実です。

この辺には、残念ながら、アレルギーを早期発見、早期治療しようという医療機関はなく、トータルで診るところもありません。ですから、言い方は悪いですが、妥協されて、近間の医療機関にかかるということも親御さんの選択のひとつなので、仕方ありません。

さて、今回はどうだったかというと、アトピー性皮膚炎とぜんそくが問題でした。2年の月日では慢性疾患はなかなか治りません。一般的なこの年齢での流れとしては、アトピーは落ち着きはじめ、ぜんそくは徐々に症状を繰り返すというところでしょう。

ひどく悪くなっていたかと言えば、そうでもありませんでした。皮膚は皮膚科にかかっていましたが、アトピー性皮膚炎とは診断されず、ステロイドの入った同じ軟膏が繰り返し処方されるのみ。治療としては前進していなかったようです。

咳は、内科にかかっていました。子どもが小さいと、小児科にかかるべきだと思いますが、意外と内科にかかっている人はいます。

その内科も“風邪”と決めつけ、“風邪薬”だけ処方する医師と、ぜんそくの存在を疑ってぜんそくの薬を出す医師も一部いるようです。そういう意味では、小児科医よりも、丁寧に診ている内科医もいるようです。

結論から言うと、ゼーゼー、ヒューヒューを繰り返してはいなかったですが、軽い喘息は始まっていました。その内科では、抗ぜんそく薬を処方はしていましたが、数日でやめており、咳が出てとまって、出てとまってを繰り返していました。

結局、アトピーもぜんそくも重くはないものの、診断も治療においても中途半端なことがされており、お子さんが繰り返す症状の影響でかわいそうな状況でした。

実は、空白の2年の間に下の子が生まれていました。卵を食べてアレルギー症状が起きているようです。アトピー性皮膚炎が見逃され、卵アレルギーも発症しているようです。

2年前に、上の子のアトピー性皮膚炎について数回ですが指導はしていたし、食物アレルギーに対する注意もしていたはずですが、下の子にまったく活かされず、気の毒なことをしたと思います。親御さんは十分反省され、涙を流していました。

専門でない医師は、分かりません、できませんとは絶対に言いません。診断できなくても、治療できなくても、また受診させてしまいます。親御さんが信じてしまえば、通い続けてしまうのですが、こういう親御さんは減って欲しいのですが、なかなか減らせずにいます。