地道に負荷試験を行っています。
先週触れましたが、アトピー性皮膚炎に関しては、ステロイド軟膏を積極的に、そして攻撃的に塗り続け、湿疹を封じ込める方法が「プロアクティブ療法」と言ってオススメの戦略です。
ぜんそくについても、日々予防して、ぜんそく発作を起こしにくくする戦略が重要です。
同じように、食物アレルギーを安定させるにはどうしたらよいか?。アレルギー症状を起こさない量を食べるということでしょうね。食物アレルギーというと、「除去する」というのが症状を安定させる方法だと思っている方が多いし、医者もそう考えているようですが、逆だと考えています。
先日、卵白3、オボムコイド3の赤ちゃんに卵クッキーで負荷試験を行いました。特にオボムコイドは加熱卵白を表していると言われ、加熱しても、クッキーでも食べられないと誤解されています。
何の症状を起こすことなく、食べられました。今度は卵白4、オボムコイド4の赤ちゃんにも卵クッキーで負荷試験を行いました。やはり何も起きませんでした。正直、起こることもあります。しかし、当院の経験では稀に軽い症状が出る程度です。
全国津々浦々、医師がオボムコイドの数値がクラス3とか4であっても、少しずつ食べさせる姿勢で患者さんに接してくれれば多くの卵アレルギーの患者さんは救われるはずです。食べたらアナフィラキシーを起こすものと言われ、食べることに恐怖を感じ、萎縮させてしまってはいないでしょうか?。
卵白の数値や、オボムコイドの数値が高くても、20年近く臆することなく、食べさせ続けてきたため、多分多くの医師よりは違う光景が見えているんだろうと思っています。
アレルギーは慢性の病気ですが、食物アレルギーに関しては、少しずつ食べさせることが、症状を安定させる、もしくは改善させる唯一の方法なんだろうと考えています。
「食べさせることが大事なのは分かっている」と言う方も多いかもしれません。最大のポイントは、なるべく若い時点で食べさせることでしょう。当院では卵クッキーならば1歳前後でと考えています。