先日、親御さんからある相談を受けました。
ADHDなどの発達障害のお子さんの対応についてです。アレルギーもそうですが、発達障害もキチンと対応できる専門医が少なく、対応が行き届いていないように感じています。
かく言う私も対応できません。親御さんの話では、行政側に相談し、対応を求めて、行政の推奨する開業医を受診したそうです。
本来なら、地元にある総合病院の医師に相談するのでしょうが、当地では専門医が少ないため、そのようになっているようです。
以前、不登校ぎみのお子さんの相談を受けました。やはり小児精神科に対応できる専門医がほとんどおらず、専門的な医療を受けられるようにするのに苦慮しました。
多分、多くの小児科医も発達障害や不登校など、自分では対応できないことを知っているため、患者さんが何とかその道の専門家のもとにたどり着くのですが、診療に時間がかかるため、専門医の外来は予約でいっぱいで、何ヶ月待ちになっているのが常のようです。
アレルギーは患者さんの数はもっと多いし、専門的な医療を受けられていない患者さんはかなりの数に上ります。例えば、食物アレルギーは食物負荷試験で正しく評価する必要がありますが、ほとんどが受けられていません。ぜんそくもアトピー性皮膚炎もビックリするくらい過小診断、過小治療が多いのです。
アレルギーも同様に、専門医による専門的な治療を、ある程度時間をかけて対応する必要があると思っています。
にも関わらず、専門でない医師が「アレルギーなら、オレにも十分診られる」と、中途半端なことを繰り返しているのが現実です。
冒頭の患者さんのように、行政側がアレルギーで困っている患者さんを当院に連れてきたことはありません。ある程度重い患者さんは、同様に専門的な医療が必要です。アレルギーは軽んじられているということではないでしょうか?。
もしくは、行政は小児科医全員がアレルギーの専門家だとでも考えているのでしょうか?。もっと患者さんの多いアレルギーが、これでは困ります。
ふと思いましたが、アレルギー拠点病院というのが、答えなんだろうと思います。国が旗を振り、お墨付きのアレルギーの病院へ患者さんを集約させるという考え方です。
他の都道府県では続々とアレルギー拠点病院が発表されているようですが、新潟県はまだのようです。専門医の多い他県とは違い、新潟県はあっても1、2箇所でしょう。
例えば、新潟市の病院が拠点病院として選ばれたら、当地から120キロも離れています。なかなか通える距離ではありません。それでも国は集約させたいのでしょうか?。
発達障害などで専門医に診てもらえるのに、何ヶ月待ちなんて話も聞きますが、そういう意味では、もっと多いはずのアレルギーの方が、困っている患者さんに対し筋道もつけられていないように感じるのは私だけでしょうか?。