当院は、開業して12年を過ぎました。
毎日、アレルギーの患者さんが大勢受診されるので、毎日アレルギーという病気と戦っている気分です。
日頃から書いていますが、早期発見、早期治療が重要というか、「それしかない」と思っています。そういう考えに行き着くと、これまで“常識”だったことに対し、懐疑的にならざるを得ません。
これも日頃から書いていますが、アトピー性皮膚炎は多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”などと言い、舐めきった治療を繰り返しているため、その間に病気が悪化しやすいクセがついてしまうようです。
食物アレルギーも、“アレルギー採血が陽性”というだけで、「除去、除去」と言うので、食べるタイミングを逸してしまい、より食べられなくなるようです。中には、食べることに恐怖を感じ、精神的に食べられなくなるケースも結構含まれるようです。
ぜんそくも、軽いうちはゼーゼーなんて言いません。多くの医師が、ぜんそく系の咳を繰り返しているにも関わらず、「“風邪”ですね」なんて言っている間に、咳が研ぎ澄まされて、ゼーゼーするようになっていくようです。
ハッキリと診断のつく手前の状態で、手を差し伸べないといけないにも関わらず、日本のシステムが、「症状を繰り返すことで、確実に診断しましょう」となっているため、その間に悪化し、難治化しているように思えてなりません。
最近は、アトピー性皮膚炎の患者さんも早期に治療を開始できた方は、ステロイド軟膏は中止できていますし、0歳から食べさせると、食物アレルギーはだいたい治ってしまうのかなという手応えを持っています。それを先日の学会で発表してきました。
ぜんそくも、ゼーゼーを繰り返す前から治療していることが多いですね。最近は寒くなってきて、ぜんそく発作を起こしやすい状況になっていると思います。当院でも3、4年ぶりにぜんそくの薬をもらいにきた患者さんが3人もいました。
にも関わらず、ぜんそく発作のため、入院する人はほとんどいませんし、もう何年もぜんそく発作で点滴する患者さんもいません。日頃から悪くならないように予防を心掛けているつもりです。
このように早期に見つけ、悪化しないようにすることで、かなり病状を安定させられるように思います。アレルギーに関しては、症状が落ち着かない患者さんは、だいたい医師が逆のことをやっているからではないでしょうか?。
今まで私も含めて、医師のやってきたこと、常識とされてきたことに対し、懐疑的にならざるを得ません!。
そもそもアレルギーを減らしたい、治したいという気持ちで診療に取り組んでいる医師は少なく、現時点でも私の考える“適切”な対応をしていないから、良くならないという患者さんが大多数なんだろうと考えています。
この日本のアレルギー医療、私の力だけではどうすることもできませんが、どうなっていくのでしょうか?。