小児科 すこやかアレルギークリニック

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2019年11月22日 更新

先日も書きましたが、ぜんそくの調子が悪い患者さんが多いようです。

数年ぶりにぜんそく症状を起こして受診される方もいますし、患者さんからすれば、「うちの子が調子が悪くなった」ということでしょうが、当院では大勢診ているので、「調子を崩す時期(秋)になっている」と捉えています。

この場でよく書いていますが、アレルギー疾患は早期発見、早期治療が最大のポイントだと思っています。攻略法も早期発見、早期治療です。

最近は、生後1、2ヶ月などの時点で“湿疹”で受診してくれる患者さんも多く、その後の経過を見ることができます。

日本人の馬場先生が「アレルギーマーチ」というアレルギー疾患の展開する様子を発見されましたが、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎の順に発症することが多いのです。

となると、アトピー性皮膚炎を見つけると、卵アレルギーをかなりの確率で合併しますが、その乳児は次は「ぜんそく」の番となります。そうやって待ち構えていると、ぜんそくを見逃しづらい訳です。

ぜんそくの咳は、ゼーゼー、ヒューヒューを伴う強い咳と捉えている医師も多いとは思います。

でも、初期はそうは言いません。まずは軽い咳から始まります。徐々に痰が絡む咳となっていきます。しまいにはゼーゼー、ヒューヒューいう咳となります。

これを第1、2、3段階とすれば、第3段階になれば、ぜんそくと気づく医師も増えてきますが、第1や2段階では、まず100%が「風邪ですね」と診断されています。

「ゼーゼー、ヒューヒューしていないのなら、気づかないのは当たり前じゃないか」という医者もいるでしょうが、明らかに“ぜんそくっぽい咳”をしていても、風邪薬を飲んでまったく効果がなくても、1ヶ月続こうが、多くの医師が“風邪”と診断しているのが現状です。

それにより咳が悪化し、咳が出るクセが定着していくと考えています。ぜんそくも重症化すると、吸入ステロイドという強い薬を使っても、なかなか症状を抑えられません。重症化したアトピー性皮膚炎もまったく同じで、強いステロイド軟膏を塗っても、悪化する「クセ」に跳ね返されてしまいます。

ぜんそく治療の最大のポイントは、ここなんだろうと考えています。ただし、多くの医師が今日も「風邪ですね」と本気で取り合ってくれないのだろうと思っています。