小児科 すこやかアレルギークリニック

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治療できるが…
2019年11月23日 更新

アレルギーは、患者さんも多く、患者さんからすれば、多くの医師が適切に対応できるものと信じられています。

先日、ある患者さんがアナフィラキシーショックを起こし、総合病院を緊急受診されました。血圧も下がっており、エピペンと同成分の薬剤も使用されていました。

原因は分からないと言われたそうです。というか、精査さえ行われていませんでした。親御さんはカニかもしれないと医師に伝えたようですが、「違うかもしれない」と言われたのみで、精査しようとも言われませんでした。

患者さんからすれば、血圧まで低下しており、死の恐怖を味わった訳です。再度起こさないためにも、原因を突き止める必要があります。にも関わらず、それ以上、深めることもありませんでした。

別の患者さんですが、抗生剤を飲み、しばらくしてアナフィラキシーを起こした患者さんがいて、地元の総合病院を緊急受診されました。ここでも治療は行われましたが、原因は抗生剤だと決めつけられていました。

今回は確か整形外科から抗生剤が出されていました。抗生物質は、小児科、内科、整形外科、皮膚科のほか歯科からも処方される可能性があります。最近は安易に使うなという風潮ではありますが、実際は結構気軽に処方されています。

本当にその抗生剤が悪いのかを確かめられることもありませんでした。私は疑問に思い、薬剤アレルギーかどうかの検査を行いました。薬剤アレルギーは小児では少なく、正直そこまで怖い思いをしたことはありませんでした。しかし、検査で強陽性であることが分かり、確定診断していいと考えています。

冒頭の患者さんも、母が疑っているカニが原因かどうか、精査を進めたいと思っています。必要なら負荷試験もと考えています。

これらのケースからお分かりのように、医師はアレルギー症状の治療はできるが、診断はできないというか、軽んじているように感じます。

再発させないため、患者さんに指導をするには診断が大切なはずです。アナフィラキシーを起こしても、「精査をお願いします」と同業者から紹介されることはほとんどありません。

これって大きな問題だと思いますし、患者さんもこれが当たり前だと思わないでいただきたいと思っています。