小児科 すこやかアレルギークリニック

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2歳は遅い
2019年11月26日 更新

食物アレルギーの敵は、“食べられないこと”ではなく、“食べないこと”だと思っています。

何か、分かりづらいですね(汗)。食物アレルギーの対策として、「食べる」ということがあります。どんなに重症な患者さんであっても、少量の卵、乳、小麦は摂ることができるはずです。過去にアナフィラキシーを起こしていてもです。

それを突破口として、食べ慣れていくことが重要な訳です。ですから、多くの患者さんが“食べられない”ことはないと考えています。

ところが、医師から血液検査の結果が高いとか言われて、除去してしまいます。つまり、食べることが怖くなってしまいます。そうすると、“食べないこと”に慣れてしまい、さらに食べることに恐怖心を抱いてしまうと思うのです。

物心がついた頃には、小さい子が自分の意思で「食べたくない」と言ったりするものですから、それ以前に食物アレルギーを攻略すべきだと考えています。

これまでの食物アレルギーの取り組みの中で、感覚的に「2歳までには」と捉えています。

先日、卵アレルギーの患者さんに卵の負荷試験をやりました。卵ボーロでアレルギー症状が出たそうで、それ以来、遠路遥々当院に通ってくださっていました。

当院得意の卵クッキー、カステラと負荷し、実はこの7月に卵焼きの負荷試験に挑戦していました。1歳9ヶ月の頃でした。

この時は、途中で食べなくなり、中止せざるを得ませんでした。そして、先日、再度いり卵で負荷試験をやろうと考えました。歳は2歳1ヶ月でした。

この時も、途中で食べなくなり、中止せざるを得なくなりました。こういう場合は、これ以上食べるとアレルギー症状が出るという本人にしか分からない感覚があるケースと、単に食べたくないというケースがあるようです。

どちらか分かりませんが、カステラを食べ慣れている人の場合、卵焼きはすんなり食べられることが多く、気持ちの問題の可能性が高いのではないかと考えています。

私は1歳0ヶ月の時点で、卵料理を食べられるかどうか、白黒をつけるべきではないと考えています。しかし、2歳を超えるような年齢では、好き嫌いの問題もあり、食べてくれないということも出てきます。

もちろん、個人差もあり、3歳になろうが、5歳になろうが、ちゃんと食べてくれる子もいるのは事実です。0歳、1歳では負荷試験で食べてくれないということは、あまりないと思っています。

年齢的な問題として、「2歳は遅いかな」と考えています。医師に言われたからと、いたずらに除去を続けるのは賛成しかねます。