普段、「クルミ」と書いているのですが、昨日のクイズ番組で「胡桃」を読ませる問題が出ていましたので、漢字のタイトルとしてみました。
さて、食物アレルギーは、除去した時点で治るチャンスを逸しているのではないかと考えています。
負荷試験をやるような医師は、卵、乳、小麦などは負荷試験をやろうとしますが、多分、ピーナッツやソバ、魚介類などは負荷試験の実施率が落ちるんだと思います。
個人的には、どれも「食べさせる」ということが重要なんだと考えています。ですから、ピーナッツだろうが、ソバ、甲殻類だろうが、まず負荷試験を実施し、その結果をもとに“食べられる範囲で食べさせる”ということをすべきでしょう。
特に私の地元は、食物アレルギーの意識がまだまだ低く、当院くらいしか負荷試験を実施していません。地元の人も、食物アレルギーとなると当院に相談に来られることが多いのです。
となると、私が除去と言ってしまうと、その患者さんが一生食べてはいけないと考えてしまう気がして、どんなものでも食べさせるように心掛けているつもりです。
例えば、先日は3人にピーナッツ、カシューナッツ、クルミの負荷試験をやりました。
実は、クルミのお子さんは、2度目の負荷試験でした。数ヶ月前に負荷試験を行い、0.1gから食べさせ、トータル1.2g食べたところで、アレルギー症状が出て、内服薬を用いています。
クルミは、わずか0.1gくらいでも症状が出ることも結構あって、なかなか食べ進められないのですが、この患者さんは少しいけそうです。家でも0.3gほどなるべく摂るように指導していました。
今回は、それ以上食べられるようになったかどうかの確認の負荷試験だったのです。当然0.3gから開始となります。前回よりもスムーズに負荷が進みます。
結局、トータルで2.8g食べたところで、わずかに発赤が出て、「今日は十分でしょう」ということで終了にしました。母の日々の努力のお陰で、少し食べらえるようになっているようです。
食物アレルギーというものは、きっと皆こんな感じなのだろうと考えています。