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湿布や風邪薬
2019年12月04日 更新

最近、湿布や風邪薬が保険適応外になるのでは?という報道があります。

要は、日本の医療費がパンク状態なため、今まで保険で賄われていたものを削っていこうという考え方が出てきた訳です。

昨日もニュースで報道されていました。湿布薬だったか、風邪薬だったか忘れましたが、ドラッグストアで買う場合より、医者からもらった方が3分の1程度の価格で手に入るのだそうです。

そりゃ、患者さんは少々時間がかかって面倒だけれど、医者にかかって湿布薬を大量にもらいますよね〜。湿布に関しては、それまでは上限がなく処方されていたようですが、数年前に1回あたり70枚までに減らすというようなニュースを耳にしたことがあります。

それなりに医療費の歯止めをかけようと努力していたものの、さらに圧迫してしまい、自費でという話にまで発展しているようです。

もしそうなったら、反対するのは誰か?。もちろん、今まで安く手に入れてきた患者さんです。それと、医師も。だって湿布薬をもらうことを目的に受診していた患者さんが減る訳ですから、その医院の収入減を意味しています。

昨日の番組では、素人判断する人が増えて、病気の発見が遅れるのでは?と整形外科医が懸念していましたが、それでどれだけの患者さんが不利益を被るのでしょうという疑問を持っています。本当に具合が悪くなれば、患者さんは病院を受診するはずです。

風邪薬も然りだと思います。内科医や小児科医は猛反対するでしょうが、ある程度、医療には自己責任が伴うものだと思っています。医者にかかっていても、病気を見逃されることもある訳ですし…。

よく政治の世界でも、「身を切る」という言葉が出てきます。行政の財政が逼迫しており、政治家の給料を減らすというものです。一部でしょうが、政治家の皆さんも、そういう涙ぐましい努力をされています。

一方、医師の世界では、そういった身を切る努力はされてきたのでしょうか?。私が専門とするアレルギーの話になってしまいますが、いつも言っているようにあまりにも多くの医師がアトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”、ぜんそくを“風邪”と誤って診断しています。

にも関わらず、医師には乳児湿疹や風邪と診断した医療費が満額支払われます。アレルギーは適切に治療しないと、より悪化してこじれてしまいます。そうやってこじれれば、患者は医師の元を何度も通院します。また“医療費”がかかってしまいます。

明らかに医師に対応できていなくても、専門医に紹介されることなく、全く同じ処方が繰り返されています。それでも“医療費”が支払い続けられています。とにかく、医師には“報酬”が支払われるシステムになっているようです。

「あなたも甘い汁を吸ってきたでしょう?」なんて言われそうですが、そういう部分もあったことは否定しません。ただ、現在の当院はほとんどがアレルギーの患者さんであり、他分野の自信のないケースは、なるべく紹介状を書いて、専門家に委ねています。

そろそろ「身を切る」改革が医療の分野でも求められていると思います。私が思うのは、無責任に同じ処方がダラダラと続けられ、専門医に紹介されることもないケースは、医師に警告をできるようにすれば、無駄な医療費は相当減るのかもしれないと思います。

確かに、誰がどう判断するのかは難しい問題です。明らかにひどい医療を受けていた患者さんを見た場合、医師会に通報するシステムを作るとかでしょうか。

いずれにしても、この業界にいる者として、何をを始めないといけないと考えています。