小児科 すこやかアレルギークリニック

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あぁ無情
2019年12月05日 更新

先日、ある母親から食物アレルギーの相談を受けました。

現在、5歳で、小麦アレルギーがあるようです。当院からかなり離れた市外の患者さんのため、地元の専門医のもとで小麦の負荷試験をされているそうです。

母の話では、うどん1gで負荷試験をやられているとかで、話を聞くと結構重症のようです。

私はとうに忘れていましたが、当院にかかったことがあるとのことで、カルテを開いてみました。

すると、アトピー性皮膚炎と診断し、アレルギー採血を行なっています。4年も前の話で、2回ほどしか受診されていないので、覚えてしなくても仕方ありません。当時で小麦がクラス2でした。

この頃は、まだ0歳でした。確か8ヶ月くらいだったようです。カルテには、1歳になったらうどんで負荷試験をやりましょうと書かれていました。当時は0歳の負荷試験が推奨されておらず、当院でも1歳になるのを待って負荷試験をやっていました。

でも、その直後くらいから、0歳から食べさせない理由がないと考えていたと思います。そうですよね。11ヶ月がダメで、12ヶ月がいいという理由がよく分かりません。

いずれにしても、4年前の当時は、1歳になってうどんを少し食べさせるという方針が記載されていました。

残念ながら、当院のカルテはそこでストップしていました。つまり、地元のアレルギー科にかかるから当院の受診は必要ないと思われてしまったようです。

そして、現在5歳になり、小麦は基本的に除去の状態が続いています。

この3、4年の臨床で、私の中では「小麦は早期から食べさせると、面白いように治っていく」と捉えています。治りづらいのは、除去期間が長く、日頃から食べさせていなかったケースが目立ちます。

この患者さんの場合、継続して当院で診ていれば、今頃除去なく小麦を食べられていたかどうかは、知る由もありません。ただ、当院の経験上、ほとんどが問題なく食べられているところを見ると、母の戦略ミスだったような気もします。

すごく嫌な言い方になりますが、「後の祭り」という言葉があります。早く手を打っておけば、そうはならなかったのではないかと考えています。

残念ながら、食物アレルギーは現在、過渡期にあり、専門医であっても考え方、治療方針が異なることもあります。食物アレルギーは、5歳よりも4歳、4歳よりも3歳、3歳よりも2歳、2歳よりも1歳、1歳よりも0歳の方が治りやすいのは、間違いないと思います。

しかも、5歳くらいになれば、既に小麦を摂ることに苦手意識もあることでしょう。こうなっては、遅いのです。

専門医の指示に沿ってこれまで来られたのかもしれませんが、「あぁ無情」って結果にもなり得ます。現在、0歳で卵や乳、小麦が陽性の赤ちゃんは、イラズラに除去を選択されないように願っています。