昨日も言ったように、0歳で負荷試験を行ったケースのその後を追っています。
先日、某市から来られて、アレルギー専門医にかかっているという患者さんの親御さんの話には少々驚きました。
現在、4、5歳なのですが、小麦を1g食べるとアレルギー症状が出るのだそうです。私の辞書に「小麦アレルギー」の文字はありません。そう言うと、やや言い過ぎですが、小麦アレルギーで困っているケースは、ごくごく一部の年長の超重症児のみです。
「早期から食べさせると、だいたい治ってしまう」という印象しかないのです。ですから、4、5歳になってアレルギー症状が出るのは、違和感があります。
こんなケースを経験しています。生後6ヶ月の時に自宅でうどんを10センチ食べさせて、じんましんが広がった赤ちゃんがいました。アレルギー採血でも、小麦はしっかり陽性でした。
多くの医者が「小麦は除去しなさい」と言うでしょう。私は皮膚の治療をした上で、生後7ヶ月の時にうどん1センチで負荷試験をやりました。何も起きませんでした。
生後1歳0ヶ月の時に、うどん10センチで負荷試験をやりました。やはり何も起こりませんでした。
そして1歳3ヶ月。うどん100gを完食しています。私の中で、小麦アレルギーの経過はこんな感じです。
冒頭のお母さんにこの話をすると、驚いていました。いやいや、こちらが逆の意味で驚きです。
小麦アレルギーがあると、麺類もパンも、クッキーなどのお菓子さえ食べられません。今回の検討の中には、小麦でアナフィラキシーを起こしていても、食べ進めているお子さんもいました。
私の中では、「小麦は除去しない」、「早期から食べさせる」が鉄則です。たまたま上手くいったケースだけを、誇らしげに提示しているだけではありません。
ホント、小麦の除去って大変だと思うので、全国津々浦々、こうやって小麦アレルギーを克服していっていただきたいと思っています。