小児科 すこやかアレルギークリニック

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激しく同意
2019年12月13日 更新

食物アレルギーで、お困りの患者さんはかなり多いと思います。

卵アレルギーが心配で、離乳食で卵を与えるのを躊躇している親御さんはかなりの数に上ると思われます。当院にかかっていて、アレルギー採血で卵は陰性であることを証明していてもです。

実際、アナフィラキシーなんて起こしてしまえば、食事が恐怖以外の何物でもない、なんて状況なんだろうと思います。

食物アレルギーの患者さんを正しく導くのが、ガイドラインだと思います。全国各地の医師の目に触れ、それによって多くの患者さんの食物アレルギーを克服できるというのが理想でしょう。

その中にこんな記載があります。「できるだけ完全除去にせず、乳児期も含めて、早期に食物経口負荷試験を実施することが望ましい」。

これに関しては、今日のタイトル通り、激しく同意です。

ただ、その1ページ前にこんな記載があります。「自然経過で耐性獲得が期待できる鶏卵、牛乳、小麦、大豆アレルギーは、最終の誘発歴(アナフィラキシーを含む)から1年が経過したら食物経口負荷試験の実施を検討する」。

これに関しては、激しく“不同意”です。

前にも触れたと思いますが、小麦を摂ってアナフィラキシーを起こした赤ちゃんがいました。地元のアレルギー専門医にかかったら、1年は完全除去を指示されました。親御さんは不安になって、100キロ以上離れた当院に相談に来られました。

食物アレルギーは、できるだけ早い、まだ若い時期から食べさせていくことが重要だと実感しています。この患者さんにも、これまでの私の臨床経験からその方針を伝えました。

「とにかく少しでも食べさせてあげたい」、どの患者さんにもそう考えて、診療してきました。「除去」は良くないとすら考えています。その親御さんにも、当院の方針をご理解いただきました。

今回のケースも、小麦でアナフィラキシーを起こしましたが、結局、症状を誘発するボーダーラインを超える量を与えてしまったから、そういう結果になったのであって、超えない量なら症状は起きないはずです。

この赤ちゃんに、そうめんを用いて負荷試験を行いました。数センチという量から注意深く負荷試験を行いましたが、意外にも早い段階で皮膚症状が出てきました。

結果を踏まえて、1センチくらいは家で食べていただくことにしました。これに関しては、誰にでも1センチなら安全と言っているのではなく、この患者さんにおいて、実際に負荷試験を行った上で、私の責任の範囲で、これくらいの量なら問題ないでしょうという量の設定をしていますので、ご注意ください。

再度負荷試験を行い、4センチくらいは食べてもいいでしょうと指導していました。そして3回目の負荷試験で、症状が出ることなく、40センチ以上食べられました。

小麦は多くの患者さんにおいて、面白いように食べられるようになるという経験を持っています。ただし、早期に対応したケースに限るように感じています。

親御さんからは「先生を信じてよかった」なんて言われました(汗)。卵や小麦よりも牛乳アレルギーは治りづらい印象もありましたが、0歳から摂らせていくと、結構治るような印象を持っています。

日本の第一人者の先生には申し訳ないですが、この部分に関しては“不同意”と思っています。(注:個人の感想です)