小児科 すこやかアレルギークリニック

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インフルエンザ流行の陰で
2019年12月14日 更新

当院は、アレルギーにこだわった診療をしているつもりです。

多分、普通の小児科と違うところは、早期発見・早期治療を心掛けていることだろうと思っています。

もう何十回も書いていますが、多くの小児科医がこの辺のところを苦手としているようで、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”、ぜんそくを“風邪”と診断しています。

逆に、“乳児湿疹”や“風邪”という診断にこだわりすぎて、アトピー性皮膚炎やぜんそくの治療が遅れ、病気を悪化させているとも言えそうです。

そんなに区別が難しいのなら、何で当院がそれをやれるかと言うと、参考にしているのは「アレルギーマーチ」です。

これもしょっちゅう書いていますが、日本の馬場先生が発見したアレルギーの発症様式で、乳児期に「アトピー性皮膚炎」と「食物アレルギー」を発症し、だんだんゼーゼーするようになり「ぜんそく」を発症し、のちに鼻症状を繰り返し「アレルギー性鼻炎」も合併してきます。

当院は、1、2ヶ月の湿疹をアトピー性皮膚炎かどうか判断し、生後3ヶ月から徐々に出てくる卵アレルギーを見出し、生後6ヶ月以降食べさせるようにしています。こうすれば食物アレルギーを攻略できるのですが、残念ながらこの辺りからぜんそくが出てきます。

そうやって、見逃さないように目を光らせているつもりです。そうすると、ぜんそくはゼーゼー、ヒューヒューを繰り返す病気ですが、繰り返す前から「これはぜんそくの初期段階だろうな」と分かってきます。

こうなると、もはや時間の問題で、ゼーゼー、ヒューヒューいうようになってきます。風邪を引けば、ゼーゼーするようになり、しなくても夜間の睡眠障害、咳き込み嘔吐も見られてきます。

こんな人がインフルエンザにかかれば、ぜんそく症状が出ないはずはありません。多分、多くの医師がインフルエンザのタミフルや咳止め、鼻水どめ、解熱剤を処方するのでしょうが、ここでぜんそくの薬を出すか出さないかの差は大きいと思います。

インフルエンザの熱は下がったのに、咳はひどくなったという人は、こういうことかもしれませんよ。多くの医師は「咳が抜けないね」とか言って、風邪薬を繰り返し処方するのでしょうが、実はぜんそくの咳が出ていることも多いようです。

ぜんそくをぜんそくと捉えられていないお子さんはかなり多く、インフルエンザ流行の陰で、ひどい咳で眠れなかったり、ゼーゼーしたり、咳き込んで吐いたりするお子さんは、ぜんそくの存在を疑ってみてもいいかもしれません。

ここで早めに手を打つと、咳の収まりはいいと感じています。