小児科 すこやかアレルギークリニック

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攻め過ぎると
2019年12月17日 更新

昨日、食物負荷試験は攻めなさ過ぎもよくないと書きました。

その逆はどうでしょうか?。要は、攻め過ぎるとどうなるかということです。

攻めるのがとても過ぎると、多くのアレルゲンを摂らせてしまうことを意味します。アナフィラキシーショックを起こしてしまうことでしょう。

となると、ガイドラインには、アナフィラキシーを起こすと向こう1年は除去と記載されていますので、除去になってしまいます。でも、これって患者さんの食物アレルギーが重いからではなく、負荷試験のやり方に問題があるからでしょう。

患者さんが例えば、すでに2、3歳の状態であれば、それからの1年間の除去により、親の言いつけを守り、食べなくなり、精神的にも食べるのが苦手になってしまうこともあります。

年齢が5歳とか、7歳なら尚更で、物心がつく前に、食べられるようにしてしまわないと、大変です。これは本人だけでなく、親御さんもそうでしょう。親が「食物アレルギーが心配で食べさせていません」っていうことはよくあることです。

子どもはそうでなくて、親が食べさせることにブレーキを掛けていることもあるのです。当院の場合は、早期から少しでも食べさせているので、本人は赤ちゃんなら分からないでしょうが、親御さんは「うちの子は食べられる!」と理解しているので、「そろそろ次の段階の負荷試験を受けたい」と言ってこられることが多いのです。

多くを食べさせ過ぎると、アナフィラキシーショックを引き起こしますが、少し少なくてもアナフィラキシーを起こすことでしょう。さらにもう少し少なくても、激しい蕁麻疹を起こしてしまうかもしれません。

要するに、症状を起こしてしまうボーダーラインを超えると症状が出てしまうし、越えれば超えるほど、激しい症状に繋がってしまいます。

辛い症状を起こせば、今のルールでは強制的に「除去」になるし、本人や親御さんに「もう食べなくていい」とか「食べさせるのが怖い」となると思われます。

ベストは、ボーダーラインの一歩手前でしょう。症状を起こす一歩手前の量を食べさせると、効率よく最大限に食べられる刺激を与えられるのかなと考えていますが、症状を起こさないと分からないので、不可能な話だと思います。

となると、そこそこの量でやめておくというのが、落としどころになると思っています。

「攻め過ぎ」てはいけない。「攻めな過ぎ」てもいけない。「そこそこ攻める」というのが、良いのではないでしょうか?。