食物アレルギーは、最近書いているように、いかに早期から食べさせるか?だと考えています。
病気は何でも早期発見、早期治療が肝心です。慢性の経過をたどるアレルギーという病気であっても、それは間違いないのだろうと捉えています。
食物アレルギーの診療で、開業医でありながら食物負荷試験を行っていますが、それは食べられるかどうかシロクロをつける検査だと言われています。
例えば、生後8ヶ月の赤ちゃんには、まだ卵焼き1個を食べさせる必要がないと思います。というか、卵の抗体が上がっている赤ちゃんにどうにでも食べさせようとすれば、一部は強いアレルギー症状をきたすと思います。
早期にどうにでも卵焼き1個を食べさせるのではなく、徐々に食べられる量を増やして、確実に食べられるようにすることが大事なんだろうと考えています。
同様に、ミルクの抗体価が高い赤ちゃんにミルクを飲ませると、症状が誘発される可能性が高まります。ですから、無理をしない程度に飲ませていくことがポイントだと考えています。
経験上、卵は最初は卵黄とか卵クッキーを食べさせていることもあり、抗体の数値が高くても症状が出ないことが多いですが、ミルクアレルギーでは、そのもののミルクや牛乳を用いるためか、数値が高いと症状誘発に直結しているように思います。
それでも、ミルクアレルギーでさえも、早期介入は有効のようです。それも現在まとめているデータが雄弁に物語っています。
そんな中、ひとり慎重な親御さんがいて、ミルクをあまり摂っておらず、もう2、3歳になっていましたが、先日それに気づき、負荷試験を勧めました。
すると、始めてまもなく症状が出ました。このことだけで結論づけるのは良くないのでしょうが、他の子は全員0歳から確実に飲み始め、摂れるようになっているという状況でした。
やはり、早期から摂れる量を確実に摂り続けていくことが大切なんだろうと思います。いまだに多くに医師、多くの親御さんは食物アレルギーを恐れ、除去を優先していますが、治りづらいことにつながることを危惧しています。
除去は何も生まないと考えていますが、あながち間違ってはいないのだろうと推測しています。